塗料をしっかり吟味
躯体保護、美観、プラス機能性で選定
静かな住環境の中に立地するマンション。ただし環状七号線に近く、ばい煙や雨で外壁が汚れやすい環境にもある。
今回の工事でのこだわりは塗料の選定。長年塗料関連業界で勤められてきた林毅理事長らをメンバーに修繕委員会を作り、業者選定と同時に、採用する塗料についても時間をかけて吟味した。
まずはマンション住民や周辺住民、工事の作業員のことを考え、水溶性塗料または水系塗装仕上げ材を選択。その上で膜厚の条件を厳しくチェック、耐候性テストなどを行った。
「劣化すると光沢が悪くなり、チョーキングが発生、塗膜がやせてみすぼらしくなる。1年くらいかけて塗料の評価をして選んだので、今は非常にきれいになって満足」と林理事長。
理事長によると、これまで塗料は躯体の「保護」という観点が大きかったが、今後は美観が加わり、さらには機能性が求められるという。機能性とは、雨が降ると汚れも一緒に洗い流すことなど。
「マンションの超高層化で塗料の開発も発展している。そうした商品が一般マンションの改修にも使えるはずなんです」。業界の人らしいコメントである。
(大規模修繕工事新聞 第08号)