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マンションも空き家対策の備えを

yomoyamahanashi 全国に空き家が820万戸といわれる。
平成27年2月、空き家対策の推進に関する特別措置法が施行された。
これまでに全国401の自治体が独自に空き家条例を制定、一部住戸の解体など強硬手段をとってきたが、法整備もされ、今年は「空き家対策元年」といえる。
著しく保安上に危険がある、衛生上で有害となる恐れがある、著しく景観を損なっている、周辺の生活環境の保全から放置することが不適切である、などの空き家は市町村が特定空き家等に認定・除却・修繕などの指導、勧告、命令が可能となり、場合によっては、行政代執行による強制執行も可能とされる。
措置法の対象は、しかし、戸建住宅が主に想定されている。
総務省統計局が平成25年3月、共同住宅の空き家についての分析を公表しているが、それによると全国の空き家820万戸のうち、戸建は299万戸、主に賃貸マンションとみられる共同住宅は470万戸と戸建を上回っていた。
東京都64万戸、神奈川県34万戸、大阪府44万戸と飛び抜けている。このうち、分譲マンションにおける空き家の推計はされていない。調査員が、目視など足で集めたデータも加味しているとされるが、分譲マンションは外観からは確認できない面もある。
しかし、日住協に加盟する団地、あるいは元会員の団地などに聞くと、郊外団地では5%前後の空き家が存在する、と推定される。
高年齢者が介護施設に入居した、介護を兼ねて親族の住宅に一時移住した、売りに出したが買い手がつかずに空き家状態となっているなど、一時的空き家が多いようだが、一人暮らしの高齢者が亡くなられ、残った住戸は相続放棄された、という例もある。
空き家では、管理費などの滞納の恐れもある。管理組合も空き家の現状を正確に調査する余裕はないが、少子化、超高齢化が進む中で、マンションの空き家は増大するとみられ、どう対処するのか、対策を迫られている。 (NPO日住協論説委員会/NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2015年8月5日付第395号「論談」より)
(大規模修繕工事新聞 第69号)


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