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給排水等設備工事の 完成保証制度がスタート

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公共事業の完成保証については、工事を請け負った請負業者が、同等クラスの請負業者に工事完成保証人になってもらうことが通常でした。
しかし、この工事完成保証人制度では請負業者間の貸し借りが発生し、入札の公正さを損なうとの批判があります。米国からも、工事完成保証人制度は談合の温床になりやすいとの指摘を受け、保険や履行ボンドを活用する等改正が進んでいます。
一方、公共性の高いマンションの大規模修繕工事や設備改修工事についても、工事完成保証人制度を使っていることにより、公正さを欠く入札の温床になっているとの批判が取りざたされる風潮になってきました。
また、工事請負業者、工事完成保証人の両社が連鎖倒産するリスクもあり、公正・確実な仕組みを求めるニーズが高まっています。
そこで、全国建物診断センターでは、大規模修繕工事完成保証制度に次いで、業界で初めて設備工事に関しても完成保証制度をスタートさせることにしました。

築年が30年を過ぎると、大規模修繕の他、設備関係の工事が視野に入ってくる
築年が30年を過ぎると、大規模修繕の他、設備関係の工事が視野に入ってくる
専有部分内の配管も管理組合主導で共用部分と同時に施工するマンションが増えている
専有部分内の配管も管理組合主導で共用部分と同時に施工するマンションが増えている

15-10-70-5全国建物調査診断センターではこのほど、大規模修繕工事完成保証制度に次いで、業界で初めて給排水等の設備工事に関しても完成保証制度を開始します。詳細は以下のとおり。
マンション大規模修繕完成保証制度とは…マンション管理組合の保護を第一とする「設計会社および工事会社の有志」が『一般社団法人全国建物調査診断センター』を設立し、住宅金融支援機構提携金融機関である『株式会社ジェイ・モーゲージバンク(JMB)』と共同で開発した制度で2009年6月、正式にスタートしました。

<制度の概要>
請負工事業者が倒産などの事由により修繕工事が中断し、継続の見込みが立たなくなった場合の①役務保証②金銭保証を行う。
① 役務保証:ジェイ・モーゲージバンクと全国建物調査診断センターが当該修繕工事の代替施工業者などを手配し、工事の完成までを保証する。
② 金銭保証:前払金を伴うエ事において、支払金額と出来高に差異が生じ、発注者が損害をこうむる場合に、全国建物調査診断センターが工事の出来高の査定を第三者機関に依頼・実施し、ジェイ・モーゲージバンクが支払金額と出来高の差額を支払う。

<保証事故に至る事由の例>
保証事故に至る事由の典型例として倒産等をあげていますが、倒産等には以下の事由があります。
【保証事故の主な事例】
破産、和議の申し立て、会社更生手続開始、会社整理開始、特別清算開始、財産につき強制換価手続の開始、仮差押命令の発令、保全差押の通知の発令、取引金融機関または手形交換所の取引停止処分、その他支払の停止。
※ 工事続行不能の原因が、発注者の責任であったり、戦争や地震・噴火・津波・洪水高潮・台風や核燃料物質である場合等には、保証事故とはみなされません。

<事故発生時の流れ>
①倒産等による工事の中止
・ 工事請負業者の倒産等により、工事が中止した場合、工事発注者(管理組合)は速やかにジェイ・モーゲージバンクに連絡いただきます。
②代替施工業者の選択・斡旋
・ ジェイ・モーゲージバンクは全国建物調査診断センターと協議の上、残工事代替施工業者を選択・斡旋します。その際、『全建』では、工事進行状況・残工事の査定を第三者機関に依頼・実施いたします。
③残工事の発注
・ 発注者(管理組合)は残工事代替施工業者に残工事の発注をします。
④不足金額の保証
・ ジェイ・モーゲージバンクは前払金・増嵩工事で不足している金額について保証します。
⑤工事の完了
管理組合では、スムーズに追加費用なくマンション大規模修繕工事の完了を迎えることができます(一部保証外の費用あり)。
【問い合わせ】一般社団法人全国建物調査診断センター ☎03-6304-0278

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(大規模修繕工事新聞 第70号)


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