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マンション駐車場 エトセトラ①

13-2011-01-31 駐車場不足、空き駐車場の増加、迷惑駐車、機械式駐車場にかかる高いメンテナンス費や修繕費など、駐車場問題は昔からペット、騒音とともにマンションの3大トラブルのひとつといわれています。トラブルといわれるにはトラブルの根底に何があるのかを知らなければなりません。そこで駐車場問題の基本をまとめてみました。

駐車場使用料はどうやって決まるの?

メンテナンスをほとんど必要としない平置きの場合、一般的に近隣駐車場料金の相場を参考するケースが目立ちます。近隣駐車場料金を参考にするのは、自宅マンンションの駐車場を借りられない人が近隣の民間駐車場を借りるケースで、その公平性をとるため近隣の相場を参考にするという傾向があるといえます。
近隣駐車場は遠くて不便ということから、自宅マンションの駐車場を高めに設定して、公平性を調整しているマンションもあります。機械式駐車場と平置きを併用している場合も、平置きより出し入れの時間がかかる機械式駐車場を安くするなど、やはり利便性の順で料金設定に差をつけているところが多いといえるでしょう。
ただし機械式駐車場は、電気代や2カ月に1回程度の保守点検、4~5年ごとに行うワイヤーなど消耗品の取り替え、さび止めのための塗装、壊れたときの修理や最終的な全面交換など、相当な費用がかかります。
そんな機械式も「近隣の相場」を参考に分譲時の設定を継続しているケースがほとんど。
これだけ費用がかかる理由があるのだから、機械式駐車場の長期的な保全計画を作成して使用料設定に反映する必要があるのでは?

駐車場収入の使い道はどうなっているの?

駐車場使用料は管理費や修繕積立金と一緒にまとめて引き落とされるのが一般的。区分所有者全員から引き落としたいろいろな名目のおカネが、管理組合(管理会社)によって管理費会計や修繕積立金会計に分けられています。
駐車場収入はというと、管理費会計に組み込まれるケースが多いといえます。しかし機械式はメンテナンス費用が定期的にかかり、これでは後々生じてくる費用を捻出できなくなる心配が生じます。
マンション標準管理規約第29条には、駐車場使用料は駐車場自体の管理に充てる他は「修繕積立金として積み立てる」と書いてあります。管理費というのは、管理業務委託費や共用部分の光熱費など日常の管理に対しての支払いを計算して設定されています。その計算式の中に駐車場収入を組み込んでいるわけは、実は分譲時の分譲会社の販売戦略として管理費を低く設定するため、ということなのです。その分譲時の会計方法をそのまま継続していては将来的な資金難は否めないでしょう。
駐車場収入を管理費に充当することを前提に予算を組んでいる場合、駐車場に空きが増えて管理費不足となるマンションも増えています。
とはいえ、現状では管理費だけで予算を立てられないマンションが多いのも事実。今は無理だとしても、将来的には管理費会計だけで予算を組み、駐車場収入を修繕費に回せるよう関心を持つ必要があります。
機械式がある場合は駐車場だけで相当な費用がかかることから、管理費や修繕積立金と分けて駐車場専用口座を作ることを考えてもいいのではないでしょうか。

(大規模修繕工事新聞 第13号)

13-2011-01-32


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