断熱性を優先した屋上防水工事
工事費安価でランニングコストも削減
今回の屋上防水工事でSマンションが最優先したことは、最上階居室の断熱仕様による暑さ対策。地球温暖化の影響からか、毎年猛暑が続く夏の最上階は単なる防水だけでは夜中まで熱気がたまり、賃貸住民2件が引っ越したこともあり、断熱仕様の防水の採用にこだわった。
施工を担当したアサヒ建装は、見積もり合わせでカスタージャパンの防水シートPOLYFIN(ポリフィン)を提案。工事費が安かったこともあり、落札した。
25年の品質保証、35年の耐用年数であるため、ランニングコストは10年後と20年後に点検費用数万円で済む予定。10年、15年保証期間を付けた他社の仕様が約15年後の再工事を視野に入れる必要があることを考えると、建物のライフサイクルコストの大幅な削減につながる。
ポリフィンはドイツ製の超高耐候シート防水で、今回はシートを密着させるのではなく、特殊な固定具を用いるPOLYFIN機械固定断熱工法を採用した。今年の夏は工事の効果に期待したいものである。
(大規模修繕工事新聞 第14号)