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考 察 マンションのエレベーター その③

71-1511-32◆エレベーターの更新(リニューアル)について

「エレベーターの耐用年数は?」と管理会社やエレベーター会社(メンテナンス会社)に質問すると、「25年から30年です」という回答がほとんどではないでしょうか?管理会社、製造するメーカー両方の思惑により、寿命が決められてはいないだろうか?―そんな疑問が沸いてきます。
法定償却年数はエレベーターの場合は17年ですから、「貴マンションは25年経っていますので、エレベーターの取替時期です」等の営業をしている会社があります。
しかし、17年とは税務処理上の資産として計上が必要な期間であり、耐用年数とは異なるものです。右肩上がりの経済での営業文句ではないでしょうか。
機械的にも電気的にもあまり詳しくない居住者にとって、法定償却年数という言葉ひとつで、まだまだ使用に耐え得るエレベーターを取り替えた管理組合もあるはずです。

71-1511-33 では、本当の耐用年数とはどのくらいなのでしょうか?
日本のエレベーター業界は大手5社と呼ばれる、三菱、日立、東芝、日本オーチス、フジテック(順不同)がビル、マンション用の乗用エレベーター市場の大半を占めています。
日本のエレベーターは、自動車同様、世界一の工業製品といって過言ではないでしょう。
その世界一のエレベーター会社が製造したエレベーターが25年くらいで寿命を迎えることはないはずです。マンションで使用されているエレベーターは、商業ビル、オフィスビルで使用されているものと外観的には異なりますが、心臓部であるモーター、減速機はほとんど同一のものを使用しています。
みなさんが日々利用するスーパーマーケットなどのエレベーターは、マンションのエレベーターの使用頻度に比べ、数十倍の利用をしていることがわかると思います。日本のエレベーターメーカーはそのような使用頻度に耐え得る優秀な製品を作っているのです。
したがって、マンションのように世帯数=使用度も限定されるエレベーターが25年くらいで寿命を迎えるとすれば、疑問を持って当然ではないでしょうか?
そうした疑問を営業マンにしたとします。もし、その営業マンが「商業ビルとは構造が異なるので」等々…といった話をしたら、マンションには粗悪品を販売していることを認めることになるのではないでしょうか。しかし、そんなことはありません。

では、管理組合として、どのようにエレベーターの寿命を判断すればよいのでしょうか。
エレベーターの取り替えを考える時期として建物の大規模修繕工事に合わせて実施することが大半で、エレベーターの取り替えを単独工事で行うことは希です。
エレベーターは、心臓部のモーター、電気的部分の制御盤、押しボタンや内装などの意匠部分に大きく分類することができます。
大規模修繕工事に合わせて実施することが多い理由としては、意匠部分が古臭くなった等の点があげられます。
日本の消費者は、欧米と違い、古いものは悪いと考えがちで、「古くなったから取り替えたほうがいいですよ」と言われると弱い傾向にあり、業者の戦略にはまってしまうのです。
古くなったら取り替えるのか、悪くなったから取り替えるのかを管理組合で検討しておく必要があります。
取替時期の目安は次のとおり。

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以上がエレベーターの最終寿命を考えた上で分類される部品です。
したがって、以上を更新すれば、机上ではエレベーターは永遠に稼働が可能と考えられるわけですが、全体的な老朽はありますので、最終寿命は使用環境・使用頻度により左右されるのも事実です。
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(大規模修繕工事新聞 第71号)


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