月刊「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。コロナ過を契機に発行形態を紙媒体から全面的に電子版に移行いたしました。それにともない、これまで首都圏、関西圏のみの発行でしたが、ネット配信の強みを生かし、全国規模に拡大しました。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」創刊から現在に至るまで、全ての記事をアーカイブ収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を右の<記事検索>にキーワードを入れるだけで表示させて、必要な記事を読むことができます。今後とも、マンション管理組合さまのお悩みに寄り添い適切な情報をお届けしてまいります。

アンカーピンは埋め込み、建物躯体保護のためには?

足場資材をチェック Part2

アンカーピンは埋め込み、

建物躯体保護のためには?

㈱IWAMOTO 代表取締役会長 岩 本 修

大規模修繕工事を行うためには仮設足場を組み、作業員の安全確保と作業性能を上げる必要があります。いい加減な仮設足場をすれば、2012年3月に埼玉・東松山市のマンションであったように、足場倒壊による園児の死亡事故という悲惨な事件も発生してしまいます。
このため、ほとんどのマンション大規模修繕工事の現場では、アンカーピンを躯体に打ち込むことで足場資材と建物を固定し、仮設足場の倒壊防止対策を行っています。
このアンカーピンですが、コンクリート躯体に打ち込んだ後に先端部分が開くことによって、さらに頑丈となる仕組みになっています。
工事が終了すると、このアンカーピンは不要となるのですが、より頑丈にコンクリート躯体に打ちつけたことによって、取り外すことは容易ではな
くなります。
基本的に取り外すことの難しいアンカーピンはそのままコンクリート躯体に埋め込んでいます。(写真①~⑤参照)
つまり、粗悪な(鉄分の多い)アンカーピンを使用すると、躯体の中で酸化し、錆が発生、コンクリートの爆裂を起こす劣化原因となるのです。
現在は錆びにくいステンレスアンカーを使用するケースが多いのですが、価格競争によって下請け業者への圧力が大きいと「手抜き」につながることが考えられます。
ある大手の改修工事会社の現場代理人は「きちっとすべてのアンカーピンを検査・記録しています」と断言しましたが、「完璧」ということがあるのでしょうか?
最良の策はひとつ。下請けの足場業者に資材の搬入を任せるのではなく、元請け業者が直接ステンレスアンカーを購入することです。
アンカーピンは埋め込みは避けられないとして、建物躯体保護のためには良質な資材のチェックを怠らないことではないでしょうか。

①?足場資材と建物躯体を固定している状態
①?足場資材と建物躯体を固定している状態
②工事が終われば足場を撤去する
②工事が終われば足場を撤去する
③ただしアンカーピンは躯体の中に差し込んだまま
③ただしアンカーピンは躯体の中に差し込んだまま
④アンカーピンの上からタイルをかぶせる
④アンカーピンの上からタイルをかぶせる
⑤施工後の様子
⑤施工後の様子

(大規模修繕工事新聞 2013-7.5 No.43)


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