『マンションの動的管理』
~既存マンションの長寿命化と再生への指針~
山本育三/著
神管ネット会長であり、全国マンション管理組合連合会(全管連)会長でもある、山本育三・関東学院大学名誉教授の著書。
本書は、マンション管理は通常の維持管理=「守り」の姿勢では時代のニーズとの乖離(かいり)が大きくなることから、積極的に「攻める管理」=動的管理(ダイナミック・マネジメント)を提唱する。
「マンションの動的管理」のポイント
・ 管理開始時の管理規約等を時代の変化にそって流動的に改正・運用を図る
・ 長寿命化を射程に入れた長期修繕計画を立て着実に実施する
・ 主要な工事周期ごとに施設・設備の向上を図り、新規供給マンションの水準に近づける
・ 修繕積立金にある程度の余剰積み立てをしておく
・ 耐震補強や外断熱工事などの特定の目的のためには特別修繕積立金方式も射程に入れる
・ 専有部分まで踏み込み、「共同管理」と「個別(私的)管理」の概念の導入も視野に入れる
著者は「マンション再生法」と関連現行法との整合性について、「できるだけ早い時期に国として取り組むことを期待したい」と述べている。
『マンションの動的管理
~既存マンションの長寿命化と再生への指針~』
山本育三/著
関東学院大学出版会/発行
丸善出版/発売
A5判/ 111ページ/定価1,800円(税別)
ISBN978-4-901734-53-0
(大規模修繕工事新聞 2013-8.5 No.44)