経済産業省資源エネルギー庁は2016年4月1日、電力の小売り全面自由化をスタートします。
2000年3月に「特別高圧」区分の大規模工場やデパートの小売自由化以来、中小規模工場や中小ビルへと徐々に拡大してきました。そして4月1日、「低圧」区分の家庭や商店などにおいて電力会社が選べることにより、電力の小売の全面自由化が実現することになります。
これまで家庭や商店向けの電気は、各地域の電力会社(東京電力、関西電力等)だけが販売していて、家庭や商店では購入先の電力会社を選ぶことができませんでした。
このたび電気の小売業への参入が全面自由化されることにより、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになります。つまり、ライフスタイルや価値観に合わせ、電気の売り手やサービスを自由に選べるようになるわけです。
すでに1月より電力会社切り替えの事前受付が本格化。電気の小売を行う事業者として、政府が登録した小売電気事業者は、LP・都市ガス会社系や石油会社系、新エネルギー会社系、ケーブルテレビ系など119社(12月21日現在)が登録しています。
◇特徴
・ 時間帯別の電気料金など、多様な料金メニューの中から自分のライフスタイルに合わせたプランを選ぶことができる。
・ 電気とガスなどのセット割引や、ポイントサービス、家庭の省エネ診断サービスなど、多様な新しいサービスが商品化する。
◇小売り自由化が不可のマンション
・ 高圧一括受電など、管理組合を通じてマンション全体で一括して電気の購入契約を締結している場合、各家庭で別の契約を結ぶことができない。
(大規模修繕工事新聞 第74号)2016-02