大規模修繕工事は何からはじめる?
質問者:東京・豊島区 理事長
2001年竣工・1棟・32戸
質問内容:管理会社の担当者から「そろそろ大規模修繕工事の時期ですので、当社の技術者が簡易診断を行い、
概算見積もりを出しました」といって大まかな金額の入ったものを提出されました。
マンション住民は建築関係に素人ばかりで、このまま管理会社のいうとおりに工事を進めていいものか悩んで
います。
他の管理組合では、大規模修繕工事をどんなところからはじめているのでしょうか?
回答者:㈱美幸建築企画 代表 荒川幸男氏
回答:質問者のマンションは32戸と小規模ですね。
一般的な小規模マンションでは、修繕積立金のプールが少ないにもかかわらず工事単価が高くなるなど、スケールメリットの恩恵を受けられない状況にあります。
また大規模マンションに比べて、住民に建築士がいるだとか、建設会社に勤めているだとか、そうした管理組
合内部から人材・知恵を出すこともなかなか難しいところが多いようです。
現在、地方公共団体によっては大規模修繕工事などの相談について、建築士やマンション管理士等の専門家派
遣制度を行っているところが少なくありません。
また管理組合団体や業界団体でも相談や専門家の派遣、診断業務などを行っています。
各団体が催しているセミナーなどに参加して、参加者の管理組合同士で情報交換をしてみるのもよいでしょう。
まずは大規模修繕工事の情報を得ることですね。
それから専門家にコンサルタントをお願いするなり、管理会社と共同で工事をすすめるなど、管理組合として
選択をしてはいかがでしょうか。
(大規模修繕工事新聞 第27号)2012-03