管理組合 修繕奮闘記 File Data. 52
横浜/ポートハイム第 2 吉野町管理組合
小規模マンションに最適「工事監理監修」方式
市街地マンションにおける改修方法としてNPO横浜マンション管理組合ネットワーク(浜管ネット)が7月27日、「中型マンション改修工事見学会」を行った事例マンションを紹介する。
管理組合の取り組みにはまず、管理会社の倒産が引き金になった。これまでの経理の不透明さ、会計のずさんさを目の当たりにし、管理組合は自主管理を目指そうと浜管ネットに相談依頼に来たのだ。
組合運営の立て直しの助言を求めつつ、次いで築1985年竣工であることから建物管理・計画修繕の問題も出てきた。ただし、予算が充分にあるわけではなかった。
そこで浜管ネットから提案があったのが、原則30戸未満の小規模マンション向けに制度化された「小規模マンション設計監修・工事監修方式」。
修繕資金が蓄積されていない小規模老朽マンションに少しでも適正な維持管理ができるよう、目を向けてもらうことを目的した制度である。提案型の基本計画書による責任
施工会社選定を行い、設計コンサルタントは工事監修だけを行うもの。廉価な費用で工事の質を確保しようとする新たな取り組みである。
ところが、ポートハイム第2吉野町は51戸。小規模マンションの要件には当てはまらない。今回は、浜管ネット技術者部会の岡田建築設計事務所が個別案件として対応してくれたレアケースといえる。
施工はカシワバラ・コーポレーションが担当。外壁タイルの剥離防止工法を採用し、工事見学会での目玉ともなった。外壁補修の後、壁面をコーティングするもので、汚れ
にくく、美しさの保持。タイルも「クローンタイル」と呼ばれる柔らかな樹脂タイルでひび割れの再発防止となる材料も使用している。
工事データ
○工事名/ポートハイム第2吉野町大規模修繕工事 ○建物概要/ 1985(昭和60)年竣工・RC造・1棟・7階建て・51戸 ○発注者/ポートハイム第2管理組合 ○施工者/㈱カシワバラ・コーポレーション ○工事監修/㈱岡田建築設計○主な工事内容/足場設置/下地処理/外部塗装/鉄部塗装/ベランダ防水/共用廊下シート貼り替え/その他 ○工期/平成25年7月1日~平成25年9月28日
施工者
株式会社カシワバラ・コーポレーション
関東支社
〒212-0013 川崎市幸区堀川町580番地 ソリッドスクエア西館10階
☎044-540-1031 代表者:柏原伸二 設立:1949年(昭和24年)3月
資本金:2億5,010万円
(大規模修繕工事新聞 2013-9.5 No.45)