NPO全国マンション管理組合連合会(全管連)は4月14日に発生した熊本地震で4月末、5月中旬と2回、現地でマンションの被災状況の調査や被災した管理組合を対象とする相談会を開催しました。その活動の一端を報告します。
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ほとんどのマンションで被害を受けており、8割以上が被災したと判断されます。外観は何ともなく見えても、一歩立ち入ると、開放廊下の壁や玄関扉近くにX条のせん断亀裂が入っていたり、外壁タイルの落下などが見られます。
また棟と棟をつなぐエキスパンションジョイントが大きな揺れで外れ、ずれています。ほとんどのマンション敷地で地盤が沈下、亀裂などが見られました。
給排水管の損傷で、ライフラインの被害が大きいのも特徴です。水のトラブルでは飲み水だけでなく、トイレ、洗濯もできなくなり、日常生活に大きな被害をもたらしました。
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4月の被災マンション相談会では2日間で176管理組合、380人が相談にみえました。マンションに特定して相談するところがないことが、これだけ参加者が殺到したのではないかと推測されます。
相談会で管理組合と話し合う中で、罹災証明の発行が行われていないことが判明しました。明らかに市の対応不足で、マンション住民にも罹災証明が出されることへの認識不足だったのでは、とみています。
遅れてようやく市の福祉課に窓口が開設されることになりました。
(大規模修繕工事新聞 第79号)