9月初旬に千葉、埼玉、栃木などを襲った竜巻の被害はたいへん大きなものでした。また台風による被害も毎年各地で起こっています。
竜巻や台風、大雪等によってマンション共用部分に損害があった場合は、管理組合がかけている火災保険の(風災・雹 災・雪災)で保険金が支払われるのが一般的です。
<風災による保険金 の支払い可否 例>
・マンションタイルが剥落ちした。→火災保険の主契約で支払い可能
・外壁タイル剥落により通行人が負傷→タイル剥落の原因が竜巻や台風の場合、予見できない損害で賠償義務が発生せず施設賠償での支払い不可
・屋上防水の防水シートがはがれた→火災保険の主契約で支払い可能
・敷地内の大木が倒れた→樹木の損害は保険会社により異なる(建物の損害のみ対象で 、樹木の単独損害は補償しない保険会社がある)
・敷地内の大木が倒れて、第三者の 負傷、自転車等の損害→基本は予見できない自然災害に起因するので賠償義務が発生せず免責 (災害前に樹木が折れかかっていて、保全の余地があったのに放置して上記損害があった場合などは支払われるケースもあり )
・住戸の窓ガラスが割れた→ベランダの窓ガラスは共用部分となり、火災保険の主契約で支払い可能
・竜巻・台風で窓ガラスが割れ、 部屋の家財が壊れた→予見できない自然災害に起因して賠償義務が発生せず、施設賠償では支払い不可(各住戸で備える火災保険で対応)
・ベランダの手すりの破損、剥離、隅壁版の破損→ 火災保険の主契約で支払い可能
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第三者の身体・財物に損害を与えた場合の「法的な賠償責任」は民法709条 「不法行為責任」の解釈によります 。
この条文は、故意または過失により第三者に損害を与えた場合を想定していますが、竜巻や台風は当然管理組合の故意や過失ではなく、予見できない損害です。このため、法的に賠償責任が発生しないと判断され、施設賠償責任保険も適用されない場合 があります。
まとめると、竜巻や台 風によってマンション共用部分に損害があった場合は風災で保険金が支払われ、第三者に損害があった場合は概ね予見できない損害で支払 い不可となるようです。
補償の対象になるかどうか判断に迷う場合には、保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。
<記事作成協力>
株式会社 グッド保険サービス
フリーコール0120-77-8160