管理組合「修繕奮闘記」 File Data. 53
東京・町田/ゼファー町田管理組合
ライフサイクルコストで見極め
屋上防水25年保証の工法を採用
平成14年竣工のマンション。屋上防水の保証期間10年を過
ぎたこともあり、まずは屋上防水工事の検討を行った。
築11年というマンションの経年から大規模修繕工事の一環
で実施することも考えたが、管理組合として先に屋上防水工事
を独立して行うことにしたのだ。
工事業者の選定については、工法の提案と見積金額での比較表を作成し、管理組合で検討した。最初の工事費用だけでな
く、その後のメンテナンス、補修費用も重要だと考え、10年後、
20年後に必要な費用についても比較表に記載して全戸へ公開
した。
比較表をもとに工法のライフサイクルコスト(LCC)を計算
すると、アサヒ建装が最も割安になることが分かった(表参照)。
アサヒ建装による屋上防水工事の提案は、ドイツ製の防水材・ポリフィン防水シートを採用すること。
このポリフィン防水シートは施工者のアサヒ建装、材料メーカーのカスタージャパン、ポリフィンAGの3社による連帯保証で、25年無条件保証がつく。実際の耐用年数は40年とも説明があった。
アスファルトルーフィング(アスファルトの打ち替え工事)や防水シートなど、同じ周期で再工事をする必要があると考えると、トータルコストではポリフィン防水シートの採用が得策であるということから管理組合の総会で合意を得たのであった。
ポリフィン防水シートの特徴としては弾性が低下しないことである。
通常使用される塩ビシートは柔軟にするための可塑剤が成分に入っているが温度変化に弱く、経年とともに減少して硬化=劣化する。可塑剤を含まないポリフィンは経年により弾性が低下しない。また紫外線、熱、水の影響を受けないため、25年の保証をつけられるのだという。
アサヒ建装の営業担当は管理組合にポリフィン防水シートによる工法を提案した理由について「コストのかからない工事が求められている中、長期の視野でみて、ランニングコストが安い。それでいて品質もよいことが過去の施工例から自信を持って管理組合にすすめることができました」と話す。
「理事の方々は非常に熱心で、勉強家。工法が決まるまではいろいろな質問をお伺いしました。工事がはじまってからは非常に協力的で、とても気持ちの良い現場でした」
屋上防水工事を終え、管理組合は2年後予定の大規模修繕工事の計画へとりかかっていくそうだ。
工事データ
○工事名/ゼファー町田屋上防水工事 ○建物概要/ 2002(平成14)年7月竣工・RC造・6階建て・72戸 ○発注者/ゼファー町田管理組合 ○施工者/㈱アサヒ建装 ○防水メーカー/カスタージャパン㈱ ○工期/平成25年7月15日~平成25年7月31日