管理組合のおカネにまつわる話①
「増えない収入と増える支出」
マンションの管理運営費は各区分所有者からの徴収によって賄うことができます。毎月引き落とされる管理費・修繕積立金がそれです。
の目的は下記のとおりで、会計を別々に処理されています。
〈管理費会計(一般会計)〉
○主な徴収・使用目的:日常の維持修繕のため
収入
・区分所有者から徴収する管理費
・各種共用施設の使用料
・その他、自動販売機や広告看板費など
支出
・管理委託費
・公租公課
・共用部分の維持管理費・水道光熱費
・事務管理における備品・通信費
・管理組合の運営に要する費用
・損害保険料
・ その他、経常的な補修費用やコミュニティー形成に要する費用など
〈積立金会計〉
○主な徴収・使用目的:計画的な建物・設備の修繕のため
収入
・区分所有者から徴収する修繕積立金
・一般会計からの繰入金
支出
・計画的な修繕費
・その他、特別な理由による修繕費
円滑な管理運営を行うためには豊富な収入があり、足りなければ収入を増やせばいいことですが、主な収入は区分所有者から徴収する管理費・修繕積立金のため、簡単な値上げはできません。
国税庁による民間救助実態統計調査結果によると、給与所得者の平均年収は1999年より「右肩下がり」の傾向にあります。年金受給者への値上げはもちろん難しくもあります。
さらに来年度からの消費税増税もあり、「増えない収入と増える支出」という図式が明確になっています。
収入が増えなければ支出を減らさなければいけません。しかし、それにはどういう方法があるのか、また少しでも収入を増やす手立てはあるのか…。
管理組合のおカネにまつわる話を数回にわたって掲載していきます。
(大規模修繕工事新聞 2013-11.5 No.47)