アスベスト含有の外壁改修 情報不足にさらされる住民
NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2018年12月5日付第435「論談」より
◆ ゴーン氏よ、あなたもか!
日産をV字回復させた 立役者のカルロス・ゴー ン氏が、コンプライアン スを犯した。経営トップ の似た行為は世界中で行 われている。
彼らの行為には2つの形態がある。
赤字を隠すための粉飾決算をして健全経営を見せかけ ること。もうひとつはお金の流用等である。これらはた いてい表裏一体となっている。
それらを完遂するためにトップは自らを棚に上げ、社 員には厳しい目標を押し付ける。絶対命令には逆らえず、 現場では固定費削減から人手不足に陥り、さまざまな悪 影響をもたらす。
神戸製鋼、スバル、タカタ、日立化成など、日本のメー カーの経営悪化が著しい。
品質を担保するという基本原則に対するずさんさがど んどん表面化している。 すべてが内部告発である。会社の不正に対し、良心の 呵責に耐えられない社員がいるのがせめてもの救いか。
◆日住協誕生に旧公団の瑕疵
マンションに関する品質問題も多い。耐震偽装、横浜 の杭問題や直近では制振・制震ダンパー偽装はマンション居住者を不安に陥れている。
NPO日住協が誕生したのは、50年前のベランダの落下 や雨漏りなどの旧日本住宅公団の瑕疵問題が発端であっ た。
マンションの場合、瑕疵等を明らかにすると資産価値 が下がるということで、公表を控える。
しかし、後でわかることこそ、当該マンションの信用 がガタ落ちになる可能性が高い。メーカーは第三者に騒 がれないように密かに進めたがる。
日住協の誕生は、真逆であり、被害団地が一体となっ て旧公団と闘った。
◆逃げない・隠さない・嘘言わない
かつて三菱自動車やシートベルトのタカタなどは事実 を真摯に捉えず、人の噂も七十五日とばかり、トップが 顔隠して尻隠さずを貫こうとした。
日産も品質確認を、資格がない社員にさせていた問題 で、ゴーン氏は一切知らぬ顔を通した。良い報告の時は マスコミの前に出るが、そうでない時は知らん顔。しかし、 そんな場面にこそ、しっかりと顔を見せ、納得のいく説 明するのがトップである。
それによって評価が上がるのが、最近の社会である。
トップの態度と行動こそが、社員にコンプライアンス と倫理への強い誘因となる。 企業だけではなく、管理組合も同様であることを心し たい。
(NPO日住協論説委員会)
(大規模修繕工事新聞110号)