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大規模修繕工事新聞2025年8月 第188号

標準管理規約の見直しに関する検討会

 マンション関係法改正に伴い、国土交通省では「令和7年マンション関係法改正等に伴うマンション標準管理規約の見直しに関する検討会」(座長: 齊藤広子・横浜市立大学教授)を設置し、検討を開始。6月27日に第1回会合を開きました。

 

主な論点は以下の通り。検討会での討議を踏まえ、9月下旬をめどにマンション標準管理規約を改正・公表する予定です。

  • 総会決議における多数決要件
  • 総会招集時の通知事項
  • 国内管理人制度の活用手続き
  • 所在等不明区分所有者を総会決議から除外する手続き
  • マンションに特化した財産管理制度の活用の手続き
  • 他の区分所有者の専有部分の保存請求
  • 専有部分の使用等を伴う共用部分の管理
  • 区分所有者の責務
  • 修繕積立金の使途
  • 共用部分等の損害賠償請求権の代理行使
  • 管理業者管理者方式を採用する場合の管理者の権限
  • マンション内での喫煙に関するルール整備
  • 組合員名簿・居住者名簿の作成、更新の仕組み
  • 修繕積立金の変更予定等の見える化
  • 総会・理事会資料等の管理に関する図書の保管
  • EV(電気自動車)用充電設備の設置の推進
  • 宅配ボックスの設置に係る決議要件の明確化

令和7年マンション標準管理規約の見直しの方法性》右表



なお、第2回会合は8月8日に開かれます。
第2回では、社会情勢等を踏まえた見直しの中で、第35条(役員)、第55条(専門委員会の設置)関係で、「管理組合役員等の本人確認」の議論を行います。
管理組合財産を狙った、区分所有者ではない者による管理組合役員・専門委員への「なりすまし」事案が発生し、社会問題となっています。管理組合役員、専門委員就任時の本人確認について、条文コメントの追加を話し合う予定です。

 

マンション大規模修繕工事/ 談合防止に向け、契約書に「違約金特約条項」を国土交通省直轄工事では請負金額の10%を設定

マンションの大規模修繕工事について本来よりも高い金額で受注できるように調整し、管理組合に不利益を与えた可能性があるとして、公正取引委員会が施工会社に立ち入り検査に入った談合問題で、国土交通省は直轄工事の請負契約に設定している「違約金特約条項」が談合防止の対策になるという考えを示しました。関係団体に対して6月26日、事務連絡を行っています。


国土交通省では、直轄工事における契約書で「談合等不正行為があった場合の違約金等」の規定を設け、請負金額の10%に相当する額を違約金として設定しています。
このように違約金支払い義務の特約条項をマンション修繕工事の請負契約にも取り入れることができるとして、管理組合へ周知するよう、関係団体に求めています。
なお、違約金特約条項を設定した場合でも、施工会社から賠償金支払い義務の有無を巡って訴訟となるリスク、賠償金支払い債務の不払い等のリスクが存することから、違約金特約条項の設定にあたっては、弁護士等専門家に相談の上、個別の事案に応じて対応するよう追記もされています。

【請負契約条文例】
○条(談合があった場合の違約金等)
受注者が、次に掲げる場合のいずれかに該当したときは、発注者の請求に基づき、請負代金額の○%に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
一 受注者が独占禁止法違反により、公正取引委員会が受注者に対し、独占禁止法に基づく課徴金の納付命令を行い、納付命令が確定したとき
二 納付命令または排除措置命令において、独占禁止法違反行為の事業活動があったとされたとき
三 受注者の刑が確定したとき

 

 

全建センター『マンションAI』/ マンション修繕工事「なりすまし」事件を回答

 全建センターの提供サービス『マンションAI』に、マンション修繕工事における「なりすまし事件」について聞いてみました。『マンションAI』から得られた回答は次のとおりです。

 


なりすまし事件の概要
 マンション修繕工事に関連する「なりすまし事件」とは、管理組合や住民を欺く目的で、第三者が管理組合の理事や工事関係者になりすます行為を指します。このような事件は、工事の契約や進行において不正を働くために行われることが多いです。


提供された情報からのポイント
1.管理組合の乗っ取りやなりすまし
書籍の記述によると、管理組合の理事になりすますケースが報告されています。このような行為は、管理組合の意思決定プロセスに不正に介入し、特定の業者に利益を誘導するなどの目的で行われる可能性があります。
2.混乱に乗じた不正行為
修繕工事における談合問題や情報の混乱に乗じて、「自らこそが正義」と名乗る業者やコンサルタントが現れることがあるとされています。これにより、管理組合が正しい判断を下すことが難しくなる場合があります。
3.リフォーム詐欺のリスク
FAQの記述では、リフォーム詐欺や無許可の工事業者がマンションに入り込むリスクについても触れられています。これも「なりすまし」の一種と考えられ、住民や管理組合が被害を受ける可能性があります。


なりすまし事件を防ぐための対策
1.管理組合の透明性の確保
・理事会のメンバー選定や活動内容を住民に公開し、透明性を高める。
・理事会のメンバーが適切に選ばれているか、住民全体で確認する仕組みを設ける。
2.信頼できる業者やコンサルタントの選定
・書籍で紹介されているように、真に信頼できるプロのコンサルタントを活用する。
・業者選定時には、複数の見積もりを比較し、第三者の意見を取り入れる。
3.住民への注意喚起
・FAQで述べられているように、住民に対して無許可の業者や不審な訪問者に注意するよう呼びかける。
・工事内容や進行状況について、住民説明会を定期的に開催する。
4.法的手段の活用
・なりすましや不正行為が疑われる場合、速やかに弁護士や警察に相談する。
・必要に応じて、裁判所を通じて差し止めや損害賠償請求を行う。


まとめ
 マンション修繕工事における「なりすまし事件」は、管理組合や住民にとって大きなリスクとなります。透明性の確保、信頼できる業者の選定、住民への注意喚起などを通じて、こうした事件を未然に防ぐことが重要です。また、問題が発生した場合には、迅速に専門家の助言を求めることが推奨されます。


全建センター『マンションAI』を利用するには…
①まず全建センターのホームページより、「全建Library」にアクセスしてください。
②暗証番号を入力すると、全建Libraryのトップページが開きます。
③全建Libraryの各ページの上部に「マンションAI」のバナーが表示されていますので、ここをクリックしてマンションAI利用画面を開いてください。
④開いた画面下の窓にプロンプト(指示出し・質問)を入力すると、30秒から1分で整理された回答が表示されます。


(リンク)
全建Libraryへの登録ページ
//zenken-center.com/library-5/

 

 

第75回管理組合オンライン・セミナー採録/ 第2部『マンションの給排水設備改修のレアケース』

一般社団法人全国建物調査診断センターが提供するサービス『マンションAI』。これをメインテーマに開催した第75回管理組合オンライン・セミナーを採録します。
今回は第2部ということで、全建センター・給排水設備改修相談室の木村章一室長が『マンションの給排水設備改修のレアケース~排水用特殊継手と専有部シンダーコンクリート内排水管の改修~』について掲載します。
視聴動画は下記URLよりVimeoとYouTubeで公開しています。
//zenken-center.com/75sm

<第2部の要約>
○テーマ: 『マンションの給排水設備改修のレアケース』
~排水用特殊継手と専有部シンダーコンクリート内排水管の改修~
○講師:全建センター・給排水設備改修相談室 木村章一室長

1.事例マンションの工事概要

事例マンションは133戸の規模数ですが、住戸タイプが45タイプという、非常にバリエーションの多いマンションであり、それだけ専有部分に入って排水管を改修することが難しいマンションでした。
改修前の排水立て管システムは、排水用鋳鉄管にセクスチャー継手集合管継手を用いた単管式立て管システム(汚水・雑排水管合流)です。
このセクスチャー継手はフランスのメーカーと豊田工機のライセンス契約により国産化されたもので、昭和48年~昭和58年まで生産されました。(右図
模式図にあるように、継手の中に排水枝管が二方向から入ってくる、そして汚水管を束ねたところで汚水雑配水の立て管がある、という特殊な継手で、これまでは台所の排水立て管、ユニットバスなどのユーティリティー系の排水立て管、そして汚水管、一部屋に3本の排水管が必要だったところを、特殊継手を使って1本にまとめているのです。
専有部分の面積を広くしたり給排水管の合理化を図ったりということで、こんなような継手が使われました。ただし、セクスチャー継手は、内部が非常に複雑で、定期的に実施されている排水管洗浄作業など、洗浄ホースが入らず十分な洗浄ができにくい構造となっています。このため、改修時に撤去したセクスチャー継手をみると、羽の部分にスケールがたまってかなり排水性能が落ちている状態のものがよくみられます。
さらに事例マンションでは、セクシャー継手という珍しい継手の使用に加え、排水枝管が部屋の床下のシンダーコンクリート(軽量コンクリート)の中に埋められているという、非常に難易度の高い工事でした。
写真-1

一般的なマンションは、コンクリートの床の間には空間があって、そこに給水管や給湯管、排水管、ガス管が入っているのですが、事例マンションはそれらが床下のコンクリート内に埋まっているタイプでした。
1990年前後、この時代のマンションの一部にみられる施工方法です。室内床施工の合理化、床鳴り対策、配管流水音対策などの理由で採用されていたようです。
事例マンションのシンダーコンクリート厚は20cm。工事の際は一旦コンクリートを削って配管を削り出すというような作業が必要となりました。

2.成功のカギを握る先行工事
このようなマンションで工事を成功するためには、実際の本工事をする前に、先行工事を行います。
排水管の撤去は皆さんが日常生活を営んでいる中で行わなくてはならないので、粉塵、振動、騒音の少ない工法が要求されます。
先行工事は、工具の選択、養生方法、騒音データ等の収集、改修するための専有部分の排水管の経路、配管、材料関係等を調べて、きちっと実施設計を行っていくということが目的です。
何の作業に職人さんが何人ぐらい必要だったか、何日間かかったのかを記録し、その結果を実施設計に反映していく、という作業を行っております。
この先行工事でわかったのが、床の中に埋まっている配管に触れずにコンクリートだけを壊す作業をしただけでも、埋まっている配管は老朽化が進行しているので、その振動で漏水してしまうことがあるということです。
このため、はつり工事が終わった後は試験的に水を流し、既存の配管が水漏れしていないかという、確認作業を行う必要があることがわかりました。
はつり工事の騒音については、先行工事の中で測定器を用いて騒音実測を行いました。作業地点から一番近い0.5メートル付近では88dBから95dB、リビングで80dBから82dBなど、極めてうるさい環境の中で工事を行うことを、数値をもって居住者に示しました。
先行工事の結果を受けて、『排水管改修工事基本計画』が立案しております。

3.工事の施工
実際の工事では、12階建て・133戸、45タイプという規模で、全体の工事期間は10カ月かかっております。
工事着工前には、工事全体の流れ、重要なポイント、お願い事項を含め工事内容を居住者に理解してもらうための工事説明会を開催。共用部分の着工後、専有部工事については、現場管理者が全戸対象に入室調査および工事説明を実施し、その調査結果をもとに入室工事の説明・仕上げ材の選定のために再び全戸を訪問しました。
このため、実際にお部屋で工事を行うまでに1.5カ月ぐらいの期間がかかっています。
居住者の皆さんは「私の家はどうなるの」といった不安があります。個別に訪問して、荷物が多いお部屋があったり、大きくリフォームしてある部屋があったり様々ですので、その様々に合わせた工事説明を行っておきます。
コミュニケーションを十分に取って、居住者の工事に対する不安を少しでもなくしていただいた上で、工事を進めました。(写真-2
実際の工事写真です。コンクリートを砕いて台所排水管、洗面排水管を出した状況です。このようにコンクリートを解体して、配管を出していきます。こうしたときに気をつけなければいけないのは、間違ってガス管を傷付けないようすることで、慎重に、慎重に作業を進めていくということになります。
写真-3)(写真-4)(写真-5

そして、今回の事例マンションでは、セクスチャー継手がコンクリートの床の中(赤い点線)に丸々埋まっている状況でした。新築時、将来の改修工事が考えずに設計されたのかなと思います。
セクスチャー継手の撤去については、油圧ジャッキで押し上げて継手を撤去するという作業を行いました。
写真-6
実際のはつり作業の様子です。部屋の中は粉塵が飛び散らないように全面的に養生をして作業を行っています。
写真-7)(写真-8
室内の既存の排水管を撤去して新しく排水管を設置した写真です。はつり出したシンダーコンクリートの厚みは20cmでした。
写真-9)(写真-10)(写真-11
配管作業が終わり、床を復旧していきます。まず砂を充填し、砂を押し固めて、モルタル仕上げをしていきます。クッションフラワーを貼り直して部屋の内装工事が終わるということになります。

所在地/東京都
工事実施築年数/築34年
建物構造/SRC造
建物規模/地上12階建て・133戸+管理室、別棟集会室
住戸タイプ/45タイプ

セクスチャー継手

写真-1

写真-2

写真-3

写真-4

写真-5

写真-6

写真-7

写真-8

写真-9

写真-10

写真-11

4.工事中の注意点・配慮点
①排水制限
 工事時間中(作業開始から作業終了声掛けまで・昼休み含む)は、部屋の排水ができません。
 工事を行っていない部屋も、下の階で排水立て管工事の際は排水制限が発生します。誤って排水すると、下の階へ大変な被害が発生します。
 この管理組合では工事期間中は、集会室のトイレを開放して、皆さんに使っていただいていくということを行いました。
②工事範囲の片付け
 工事範囲の片付けを工事当日朝までにお願いしました。片付け範囲は入室工事説明のときに荷物の量を見て判断していますけれども、クローゼットの中での作業もあったので、衣装ケースを工事会社が無償で貸しして、荷物の片付けをお願いしました。
③共用廊下の通行
 作業中は作業員の出入りの際の扉開閉と、廊下に資材を置きます。このため、カラーコーンを立てたりしながら安全対策を取るなどの方法を用いました。
④簡易トイレの提供
 トイレに行きたいときに遠い仮設のトイレまでいけないという方もいます。そうしたことも考えられるので、震災時などで使われる簡易トイレを希望者に購入していただくという対応もしました。
⑤各戸工事内容説明の実施
 それぞれの住戸に適した工事内容説明書を全建センターと工事会社とが一緒に作って配布しました。
⑥その他
 集会室は、騒音に対する避難所としても利用しました。
新たにソファーを購入したり、お茶菓子を用意したり、なんとなく居住者の皆さんが工事時間中、コンクリートを壊している騒音の中を避難するために集会室を利用していただいて、皆さんがくつろいでいただけるように、ということで、管理組合さんも一緒になって協力しながら工事を進めていきました。
 仮設の洗濯機も設置し、居住者の皆さんにご利用いただきました。
写真-12)(写真-13
 トイレの汚水管や台所の排水がへばりついた配管を撤去するので、マンション全体を汚さないようにするために、撤去配管箱を用意しました。
 なお、撤去した配管の管口は撤去した時点ですぐガムテープで蓋して、汚泥が部屋の中やマンションの開放、廊下に漏れないよう配慮しました。

5.まとめ
 シンダーコンクリート内にある配管は、どこからが共用部分で、どこからが専有部分なの、というのが非常に難しい問題だと思います。
個人で発注するレベルのリフォーム屋さんでは対応できないと思いますので、やはり管理規約を変更するなどの対策をして、管理組合として取り組むべきです。
また、今回の工事の成功は、先行工事や工事方針説明会などの細やかな配慮によるものが大きかったといえます。
実際にこのマンションでは、更新工事に反対する方もいて、実際には排水管の劣化診断をしてから本工事が終わるまで、7年間かかってます。
2年目が終わった時点で基本計画はできていたのですが、総会で否決されました。
それでも、管理組合のみなさんが根気よく、一生懸命やられた結果でようやく工事が実施され、成功されました。

写真-12

写真-13

窓・ベランダからの転落事故多発!守れ、子どもの命!! 6月24日 消費者安全調査委員会が報告書

 2025年7月8日、那覇市のマンションで、4歳の男児が9階のベランダから転落し、亡くなるという事故が起きました。男児は1m20cmの手すりをよじ登り、誤って転落したとされています。
 3月には福岡のホテルで、やはり4歳の男児が10階の非常用扉から転落して死亡する事故が起きています。
消費者庁に設置された消費者安全調査委員会は6月24日、住宅の窓およびベランダからの子どもの転落事故の防止を図るため、消費者事故等調査を行い、報告書を公表しました。
 報告書によると、6歳未満の子どもの住宅の窓およびベランダからの転落死亡事故は、1993年から2024年の32年で134件発生しました。
 転落した場所別では窓が42件、ベランダが92件。事故発生時における保護者の在宅状況は、在宅が65件、不在(家族の送迎、ごみ出しなど短時間の外出含む)が55件、不明14件でした。
 消費者安全調査委員会では、事故の原因究明、再発防止策などを調査した上で、以下のとおり所管の大臣に意見を述べています。

○国土交通大臣への意見
子どもが窓及びベランダから転落する危険への対策をした住宅を普及させるため、住宅を供給する事業者等に対して、ガイドラインの普及、子どもが窓及びベランダから転落する危険への対策をした住宅の新築・改修に対する支援等の施策を講ずること
○経済産業大臣への意見
子どもの窓及びベランダからの転落防止のための製品の研究・開発が進むよう関係団体に働きかけること
○こども家庭庁長官への意見
子どもが窓及びベランダから転落するプロセス及び転落事故防止方法について、保護者等に対する周知啓発の施策を講ずること


(リンク)
消費者安全調査委員会・消費者事故等調査報告書【概要】.pdf
国土交通省:「子育てに配慮した住宅と居住環境に関するガイドライン(改訂版)」

マンションすまい・る債/ 689組合(32,622口)が応募【2025年6月末時点】

 住宅金融支援機構はマンションすまい・る債について、2025年6月末時点で689組合(32,622口)の応募を受け付けています。
 この689組合のうち、管理計画認定を受けたマンション向けの「認定すまい・る債」(利率0.05%上乗せ)は108組合(6,360口)の応募がありました。
 なお、募集口数(募集額)は544,777口(1口50万円・総額2,723億8,850万円)、応募受付期間は10月10日までです。


【2025年度募集債券】
債券の利率:10年満期時平均利率0. 525%(税引後0.4447%)
<認定すまい・る債>0.575%(税引後0.4870%)
債権発行日:2026年2月20日(予定)
購入口数:1口50万円として複数口購入可能
購入回数:最大10回(毎年1回)継続購入して積立可能
満期:各債券の発行時期から10年後
(2025年度に購入した債券は、2036年2月20日〈予定〉にその額面金額を償還する)


(リンク)
マンションすまい・る債の案内チラシ(2025年度版).pdf

本の紹介/『Q&A 区分所有法の改正‐マンションの管理と再生の新しい仕組み‐』

今年5月、区分所有法ほかマンション関連法が改正された(令和7年5月30日公布、令和8年4月1日施行)。
今回の改正では、築年数の経年劣化による老朽化、管理組合の担い手不足、所有者不明の区分所有者への対応、大規模災害時の復旧問題などの課題に対応するため、マンションの管理・再生の両面にわたって非常に重要な改正が行われている。
本書では、区分所有法の改正ポイントをQ&Aや図版、部会資料で分かりやすく解説するとともに、改正後の区分所有法と被災マンション法の条文を収録するものとなっている。
法改正の背景、改正のポイント、改正後の条文など、23年ぶりとなった改正区分所有法を把握できる1冊となっている。
(写真188号9-1 Q&A区分所有法の改正.jpg)
著者/渡辺晋
発行/公益財団法人マンション管理センター
版元/株式会社大成出版社
判型/A5判・160ページ
定価/1,980円(税込)
2025年7月18日発行
ISBN: 978-4-8028-3594-7

本の紹介/『積算資料ポケット版 マンション修繕・再生編2025-2026』

国土交通省「長期修繕計画標準様式」に準拠した、マンション共用部分の修繕における工事単価データ集。掲載単価は、一般財団法人経済調査会が調査・決定した「調査価格」とメーカーの「公表価格」で、「調査価格」は工事業者から管理組合に提出する見積記載単価を掲載している。
今号より、タイトルを「マンション修繕編」から「マンション修繕・再生編」と改め、長寿命化に資する外壁改修技術、脱炭素時代に対応する充電設備の設置など、様々な視点からマンションの問題解決につながる話題を紹介している。
見積もり実例では、高経年マンションにおける大規模修繕工事事例や給排水更新工事実例に加えて、劣化診断調査実例やダクト清掃実例も掲載。実際の見積書とともに大規模修繕工事に至るまでの経緯、劣化状況を踏まえた解決策などに加えて長期修繕計画の見直しについても詳しく掲載している。
(写真188号9-2積算資料ポケット2025-2026.jpg)
発行/一般財団法人経済調査会
判型/A5判・462ページ
定価/3,080円(税込)
2025年7月20日発行
ISBN: 978-4-86374-371-7
◆購入の申し込み
KSC・ジャパン㈱(経済調査会事務代行)
TEL:0120-217-106 FAX:03-6868-0901
//book.zai-keicho.or.jp/book_info.php?id=79
◆内容に関する問い合わせ
出版事業部企画調査室
TEL:03-5777-8221

管理組合資産を狙う元凶はどこにあるのか!?~施工会社の談合問題と管理会社の関係性~

 現在、マンション大規模修繕工事を手がける施工会社30社超に対し、談合の疑いがあるとして公正取引委員会の立ち入り検査が実施され、行政処分の結果待ちとなっている。
 実務では、契約済みのマンションでは着工が一時停止となり、管理組合側が再契約を選択するなど、これまでどおりのスムーズな工事進捗ができていないケースが多く見られている。

 談合問題が社会問題化している中、以下2つの事例から、この問題を探ってみよう。
 築12年・2棟・約200戸(事例①マンション)。10年目で大手の管理会社より建物診断に基づいた1回目の大規模修繕工事の見積もりが理事会に提出された。その額、4億円。戸当たり200万円である。このマンションは住戸タイプの種類も少なく、四角い2棟で、免震装置が装備されている。
 工事計画では現場事務所も作業員詰所も、マンション内の独立した管理棟を使用することになっていた。
 1回目の大規模修繕で戸当たり200万円。管理会社の見積額をみて理事会が動きはじめ、設計・監理方式を採用して施工会社を選定したところ、工事費は3億円(戸当たり150万円)まで下げることができた。
 ついで築13年・1棟・約100戸(事例②マンション)。別の大手管理会社から提出された1回目の大規模修繕工事の見積額は2.8億円。戸当たり280万円である。この管理組合も設計・監理方式を採用したところ、1.8億円に下げることができた。この7月に着工している。
 いずれも管理会社の見積額から、設計事務所を入れて、設計・監理方式を採用したところ、億単位で値が下がった事例である。


 さて、この数字を読者どう思うだろうか?
 施工業者の談合問題は、本来の適正価格よりも大幅に高い工事費用を支払わされることである。


事例①

マンションでは、管理会社の見積額4億円から設計コンサルタントを通したら、3億円となった。1億もの減額である。


事例②

マンションも2.8億円から1.8億円になり、1億円減。
 工事代金が減れば管理組合は得したと印象づけられるのは当然だろう。
 しかし、である。
 そもそも1回目の大規模修繕工事で戸当たり200万円、戸当たり280万円は一般的な数字だろうか?
 1億円を節約できたとして、それが本当の金額なのだろうか?
 今一度考えてみよう。そもそも元の金額が大き過ぎはしないか?


 政府は7月24日、トランプ関税を25%から15%とすることで合意したと発表した。
 「これは喜んでいいものなのか」。自動車メーカーの声である。
 これまで2.5%だったものが15%へ跳ね上がったのである。そもそも5月、日本が求めていたのは、追加関税の「撤廃」だったのだ。

 話を元にもどそう。
 4億円が、3億円になったとして、この3億円も妥当なのだろうか?
 そもそもの4億円と比べて安く感じるだけなのではないだろうか?
 管理組合資産を狙うのは施工会社ばかりではない。
 積立金残高を知っているのは、管理会社である。管理会社は修繕積立金がどれだけあるかわかっていて、その分を見積額に反映していく。
 その見積額と比較して、「安くなった」という表現は適切だと言いがたい。管理会社の見積額を、施工会社の見積合わせの材料とすること自体、大きな間違いなのだ。
 現在のマンション大規模修繕工事における談合は施工会社の問題だとされているが、管理会社の情報提供をもとに工事金額を設定するということも考えられる。今、スポットライトを浴びている施工会社より、管理会社が元凶ではないかという思いが、どうしても拭えない。
 <全建センター・大規模修繕工事新聞論説委員会2025/08/02>

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第76回管理組合オンライン・セミナーのお知らせ

日時:8月24日(日)13時スタート

 

 

 

第一部:『マンションAI』に 相談してみよう!
『マンションAI』は全建センターが開発した生成AIです。
簡単な質問事項を入れるだけで、全建センターが15年間以上にわたって蓄積してきた大規模修繕工事新聞の情報、全54冊を超える全建文庫の内容、マンション管理組合セミナーのレジュメ、これまで所属のコンサルタントや協力弁護士などに寄せられた質問および回答など、クローズな情報ボックスに入っている情報をまず優先的に検索、取り組み、ついで『マンションAI』がインターネットにある情報から自動的に検索したものと合わせて整理したものを回答することができる仕組みとなっています。

したがって、『マンションAI』を利用することによって、これまでの単なる検索エンジンでは得られなかった、より精度の高い情報収集が簡単にできることになっていきます。
今回のセミナーでは理事長や役員のみなさまが利用しやすいよう、下記のような質問集をつくり、それをマンションAIに書き込んで、実際にはどのような回答が行われるのかについて体感してもらいます。
○大規模修繕工事の見積書の取り方を教えてほしい
○12年周期で大規模修繕工事はやる必要あるの?
○大規模修繕工事で使う接着剤でアレルギー反応を起こしてしまう人への対策は?etc.
この『マンションAI』を活用する管理組合と、そうでない管理組合では、今後その上に大きな差が生まれてくることになるといえるでしょう。


第二部:『マンションAI』の 可能性を深掘りする

『マンションAI』制作顧問に聞く
聞き手:吉野亜衣子(元文化放送プロデューサー)
話し手:光藤祐基(ニューヨーク大学客員教授・AI研究者)

生成AIで世の中が大きく変わろうとしています。
生成AIを利用出来るか否かで、企業も団体も個人も大きな差がでると言われたいます。
今回のセミナーではこのほどニューヨーク大学客員教授に就任したAI研究のトップリーダーである光藤祐基博士に、生成AIで世の中がどのように変わるのか、また、『マンションAI』で何が出来るようになるのか、全建センターのニューヨーク支部の吉野亜衣子理事がインタビューします。 


 

<お申し込み>
(1)お申し込みはインターネットからお願いします。
お申し込みの方は下段の方法によりお申し込みください。
①下記のQRコード、URLよりお申し込みいただけます。

//zenkencenter.com/76sm

②下記メールアドレスに、管理組合名、代表者名、ご住所、電話番号、メールアドレスを記入して送信してください。
info@zenkencenter.com

(2)全建センターからお申し込み承諾メールを送信します。
お申し込みいただいた方には、オンライン・セミナー開始1週間前、および、開催当日に視聴URLおよび視聴方法、暗証番号、アンケートのご案内をメールにて発信します。

講師:佐藤成幸・全建センター筆頭理事
(マンション管理士、一級建築施工管理技士)

講師:光藤祐基
(ニューヨーク大学客員教授・AI研究者)

「マンションAI」の使用開始とその具体的な手順

① まず全建センターのホームページより、「全建Library」にアクセスしてください。
 画面左側の茶色のドアをクリックしてお入りください。次に暗証番号が求められますから、管理組合役員から知らされた暗証番号を入力してください。
 もしまだ暗証番号が知らされていない場合は、管理組合役員に相談して全建Libraryに登録して暗証番号を取得するよう相談してください。
 全建Libraryに未登録の場合は、右側の緑色のドアから入ると、全建Library登録サイドが開きますので、こちらから登録してください。
 すでに管理組合の代表者または役員が全建Libraryに登録済みの場合は、新たな登録は不要です。

 

 


② 暗証番号を入力すると、全建Libraryのトップページが開きます。

全建LibraryスタートOKの緑色のバナーをクリックして全建Libraryにお入りください。
 トップページにはこれまで開催した管理組合セミナーの一覧が表示されているはずです。
 必要な回のバナーをクリックすると、その回のVTR、
YouTube映像またはvimeo映像を見ることができます。


 また、左側にある目次をクリックすると、それぞれの現在から過去までの資料を閲覧することができます。
 大規模修繕工事新聞では、これまでの新聞を電子ブック版で読むことができます。また、大規模修繕工事新聞記事をクリックすると、最新の記事から過去の記事まで閲覧することができます。
 全建文庫では、現在まで発行された全54冊の表紙が一覧表示されますから、それぞれの書籍を電子ブックで読むことができます。

 

 

 

 

 

 


③「マンションAI」の利用方法です。
 全建Libraryの各ページの上部に「マンションAI」のバナーが表示されていますので、ここをクリックして『マンションAI』利用画面を開いてください。
 

 

 

 

次に開いた画面下の窓にプロンプト(指示出し・質問)を入力してください。プロンプトとは、「マンションAI」を利用する際、利用者が入力する指示や質問のことです。
 キーワードまたは文章で入力してください。事例として、「修繕積立金 不足 対策」とキーワードを入力して、青いバナーの送信をクリックしてください。
 すると、30秒から1分で整理された回答が表示されます。画面には表示サイトのURLも表示されますから、ここをクリックするとそのサイトが表示されます。
 次に、最近大規模修繕業界を騒がせている「大規模修繕工事談合問題」と入力してみました。このように最新の情報も確実に拾ってきて、回答してくれることがわかります。
 以上でお分かりのように、マンションAIを上手に使いこなすには、プロンプト、いわゆる指示出し・質問の書き方が重要です。

 そこで全建センターでは、今後皆様がマンションAIを使用した体験をもとに、大規模修繕工事やマンション管理組合に特化したプロンプト集を全建Libraryに収録したり、全建文庫として出版していく予定ですのでご期待ください。

 


④同一マンション居住者なら全員利用OK
 

 「マンションAI」は生成AIですから自ら学習し、新たなコンテンツを生成する能力を身につけています。そのため、より多くの皆様が「マンションAI」を利用することで、自己成長を続け、より使い勝手が向上します。
 そこで、全建センターでは「マンションAI」をマンション業界の共通の宝として育てるため、「マンションAI」管理組合窓口として開放することとしました。
 全建センターがこれまで蓄積してきた情報集積閲覧サイトである全建Libraryにマンション管理組合の代表が登録するだけで、そのマンションすべての居住者(管理組合員)が、全建Libraryと「マンションAI」の両方を無料で利用できるようにします。
 具体的には、個々のマンションに「マンションAI」管理組合窓口という『専用HP(ホームページ)を全建センターが無料で制作し、「マンションAI」と全建Libraryを利用できる形にします。
 ただし、専用HP制作に時間がかかりますので、第一次募集として、100組合の参加を承ります。第一次の処理が完了した時点で第二次、第三次と募集を進めていく予定です。
 詳しいことは、専用のHPを立ち上げていますので、ご確認ください。
//zenken-center.com/library-5/

 

 

 

 

 

全建文庫最新刊「管理組合を変える『マンションAI』の活用法」電子ブック版閲覧無料開放 
//z-book.jp/zjt54/
閲覧暗証番号:250501DdGg
※紙書籍はAmazonで購入出来ます。

 

 

白いごはんと日本人 いまコメが足りない?

●ごはんの国に生まれた私たち
 私たちの国、日本は、古事記や日本書紀にも「瑞穂国(みずほのくに)」と記されているように、「みずみずしい稲穂の国」と書かれるほど、コメを神聖視してきた国です。
 そんな国なのに、昨年からコメの値段がどんどん上がり、政府は大量の備蓄米を放出して、なんとかコメの値段を下げようとしています。
 そしてもう一つ忘れてはいけないのは、2015年には約95.2万戸あったコメ農家が、10年後の2025年には約6割減の37.7万戸になり、さらに5年後の2030年にはわずか約10.7万戸にまで減少すると予想されていることです。
 そして現在における、コメ農家の平均年齢は70歳前後。もしかしたら5年後のコメは、いま以上の超高級食材になっているかもしれません。
●白いごはんはいつから当たり前に?
 そもそも、日本人が白く精米されたコメを当たり前に食べられるようになったのは、意外と最近のことです。
 江戸時代、白米は江戸や大坂など都市部の武士や裕福な町人のもので、農村では玄米や雑穀が中心でした。明治以降、精米技術が発達し、大正から昭和初期にかけてようやく庶民の食卓にも白いごはんが広がっていったのです。
 しかし戦中・戦後の混乱期には再び雑穀やイモ、カボチャが主食に。本格的に「どこでも白米が当たり前」になったのは、高度経済成長期以降のことです。つまり、全国民が毎日当たり前のように白ごはんを食べるようになったのは、ここ50〜60年の話なのです。
 それ以前は、多くの日本人にとって「白いごはんを腹いっぱい食べること」が憧れであり、最高のご馳走だったのです。
●日本の食文化はごはんが中心
 今さら言うまでもなく、日本の食文化はコメを中心に発達してきました。欧米ではバターを美味しく食べるためにパンがあるが、日本ではごはんを美味しく食べるためにおかずがあると言われるほどです。
これは伝統的な食べ物だけでなく、明治以降に海外から入ってきて日本で改良されたカレー、とんかつ、唐揚げなどの「洋食」と言われる食べ物たちも、ごはんに合うものばかりです。
 ほかにもコメからできるものとしては、味噌、酢、米麹をはじめ、せんべい、あられ、団子、大福、おはぎ、柏餅などのお菓子があります。
●これから5年、どうなる?
 小泉進次郎農水相によると、100万トンあった備蓄米の残りはあと30万トンで、放出した分は5年かけて買い戻すそうです。
ただ、この5年間がずっと平年並みにコメがとれるとは限りません。もし今年、来年、再来年に不作の年があったら、備蓄米がたちまち底をつき、輸入米に頼らざるを得なくなる可能性があります。
 さらに前述したように、5年後にはコメ農家が大激減すると予測されています。
 今後5年間、日本のコメ事情はどうなっていくのでしょうか。
ひとつは、天候リスクとの闘いです。温暖化の影響で猛暑や豪雨の頻度が増す中、従来の品種では安定した収穫が難しくなりつつあります。そのため、耐暑性のある新品種の導入や、水の管理を工夫した農法が模索されています。
 ふたつめは、米の消費スタイルの多様化です。パンやパスタ、冷凍食品も主食になりつつある現代において、「毎日3食お米」ではなく、「たまに美味しいお米を」という方向にシフトしていくかもしれません。これは価格にも影響します。
 また、コロナ禍を経てテレワークや中食(なかしょく:家で食べるが外で買う)が増えたことも、消費量の波を生みやすくしています。
 農業政策の観点では、若手就農者支援やスマート農業の導入が鍵を握るでしょう。政府も「食料安全保障」の視点から、米作りの支援を強化していくと見られます。
●ごはんがくれる安心
 コメは単なる食料ではありません。日本の景色、文化、季節の行事の中に、いつもお米があります。
 食料自給率が低いと言われる日本ですが、主食のコメはほぼ自給率100%でした。「米が足りない」というニュースには、単なる物価の問題以上の、どこか不安を感じてしまうのは、そんな日本の食文化とコメという背景があるからかもしれません。
 もしかしたら私たちは、日本の食文化が大きく変化する時代を生きているのかもしれませんね。
(巨椋修(おぐらおさむ):食文化研究所)2025-08

(巨椋修(おぐらおさむ):食文化研究所) <おもしろコラム提供>//omosiro-column.com/

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