全国建物調査診断センター 『マンションAI』を商標登録
一般社団法人全国建物調査診断センターは9月5日、ニューヨーク支部監修のもと、東京大学松尾・岩澤研究室の原田氏とマンションに特化した独自生成AI『マンションAI』について、特許庁長官から商標登録証を受領しました。
今後、『マンションAI』の表示には登録番号とRの文字が表示され『マンションAI®』となり、ブランド力が上がることになります。
商 標: 『マンションAI』(登録第6965405号)
登録日:令和7年9月5日
『マンションAI』の利用に際しては、全建Libraryのメンバー登録が必要です。未登録の方は下記からご登録ください。
//zenken-center.com/library-5/

区分所有法改正に伴うマンション標準管理規約を公表/国土交通省
国土交通省では令和7年6月に「令和7年マンション関係法改正等に伴うマンション標準管理規約の見直しに関する検討会」を設置。9月10日から9月25日までのパブリックコメント(意見公募)を経て、改正マンション標準管理規約を公表する予定です。
改正マンション標準管理規約・コメントは国土交通省のホームページでダウンロードすることができます。
なお、10/26より配信する全建センターの第77回管理組合オンライン・セミナーにおいて、マンション標準管理規約単棟型の主な改正事項のポイントを紹介します。
第77回管理組合オンラインセミナー(10-26)への 無料ご招待<上図をクリックして参加申し込みください>
大規模修繕工事にも直結 安易なアスベスト「みなし含有」は工期の長期化、コスト増を招く
近年、アスベストの健康リスクや適切な防護具の重要性、最新の法律改正についての情報が共有され、参加者はアスベストに関する専門知識を深める必要性が強調されています。
また、マンション大規模修繕工事においても、労働安全衛生法(石綿障害予防規制)、大気汚染防止法、廃棄物処理法を遵守し、アスベストを適切に取り扱うことが求められています。
これは、大規模修繕工事の発注者である、管理組合にも法的な責任があります。
具体的には、労働安全衛生法や大気汚染防止法などに基づき、その建物にアスベスト含有建材が使用されているかを確認する「事前調査」の実施と、作業員や周辺住民の安全を確保するための「情報の提供」です。
義務を怠った場合には、罰則が科せられる可能性があります。
ただし事前調査を行うと、分析調査に時間や費用がかかります。
このため、アスベスト含有の有無を調査しなくても、アスベスが含まれているものとして取り扱う「みなし含有」という手法がとられるケースが見受けられます。
アスベストの除去・封じ込め作業は専門の知識と技術を持つ業者に依頼するため、高額な費用が必要となるのですが、逆にアスベストが含まれていないことが証明されれば、「見なし含有」の対象から外れ、コストや工期の削減ができるわけです。
このため、専門家の話では、安易に「みなし含有」として工事を発注するのではなく、徹底した「事前調査」を行うことが重要だとされてます。
そして、もうひとつ、「情報の提供」です。
前述の専門家は「マンション住民や近隣住民の不安に対しても適切な情報の周知は大切。住民間の理解と協力を得られないことで、スムーズな工事進行ができないといったことにならないように」と呼びかけます。
情報提供の方法には説明会や書面による周知、現場での情報公開などいろいろありますが、環境省では特にアスベスト工事による健康被害の防止について、事業者と地域住民が対話による「リスクコミュニケーション」を通して理解を得ることを推奨しています。
2022年に、適切な情報共有と対話を促すための指針として、『建築物等の解体等工事における石綿飛散防止対策に係る リスクコミュニケーションガイドライン』を公表していますので、参考にしてください。
アスベスト対策について、管理組合も発注者としての責任があるという点、安易に業者任せにして「みなし含有」を選択せず、事前調査を徹底して行う点について、大規模修繕工事の計画時点での検討事項することが望まれます。
参考リンク
国土交通省『目で見るアスベスト建材(第二版)』(2008)
//www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/01/010425_3/01.pdf
環境省・厚生労働省『建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル』(2021)
//www.env.go.jp/air/asbestos/202503zenbun.pdf
環境省『建築物等の解体等工事における石綿飛散防止対策に係る リスクコミュニケーションガイドライン』(2022)
//www.env.go.jp/content/000066254.pdf
区分所有者名簿閲覧謄写請求事件 令和5年9月19日東京地裁
組合員名簿、居住者名簿の保管、作成、閲覧
標準管理規約+コメントを参考に規定の更新を
【主文】
被告は、原告に対し、被告が保管しているYの区分所有者名簿を閲覧させよ。
【当事者】
原告:医療法人X 代表者X1
被告:Y管理組合 理事長Y1
【事件の概要】
被告Y管理組合の組合員である原告X1が、Y管理組合に対し、組合員名簿の閲覧請求権および謄写請求権を求めた事案。
【前提事実】
・Y管理組合の管理規約(本件規約)69条には、理事長は、組合員名簿を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない旨を規定している。
・同条を受けて作成された組合員名簿には、「代表組合員氏名」「フリガナ」「居住/非居住」「備考」が存在し、他の記載はない。
・X1は、Y管理組合に対し、請求の理由欄に「管理規約の改正について、賛成者を募りたいため」と記載した閲覧および謄写請求書により、本件名簿の閲覧および謄写を請求したところ、Y管理組合は個人情報守秘、プライバシー保護の観点から同請求に応じない旨を回答した。
【被告(Y管理組合)の主張】
・管理規約には組合員名簿を閲覧させなければならない旨を規定するのみで、謄写については規定がない。
・管理規約は閲覧のみを許容する趣旨といえ、区分所有者は組合員名簿の謄写請求権を有しない。
【裁判所の判断】
・本件規約69条は、区分所有者名簿である組合員名簿の作成および保管を義務付け、また、組合員が理由を付した書面により請求した場合には、組合員名簿を閲覧させなければならない旨を規定しているところ、名簿の閲覧拒否事由について特段の規定を設けていない。
・このことからすると、組合員が理由を付した書面により組合員名簿の閲覧を請求した場合には原則として閲覧が可能とする旨を定めたものと認められる。
・他方、本件規約は謄写については特段の規定を設けていないところ、閲覧よりもプライバシー侵害の度合いが高いことから、これについては認めない旨をその自治により定めたと解するのが相当である。
【コメント】
令和6年6月の標準管理規約改正において、64条の2(組合員名簿等の作成、保管)が新設されました。条文は以下のとおり。
| 第64 条の2 理事長は、組合員名簿及び居住者名簿を、書面又は電磁的記録により作成して保管し、組合員の相当の理由を付した書面又は電磁的方法による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。(略) 2 理事長は、前項の規定により閲覧の対象とされる組合員名簿等に関する情報については、組合員の相当の理由を付した書面又は電磁的方法による請求に基づき、当該請求をした者が求める情報を記入した書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 3(略) 4 理事長は、第19 条(専有部分の貸与)又は第31 条(組合員資格の得喪)の届出があった場合に、遅滞なく組合員名簿等を更新しなければならない 5 理事長は、毎年1回以上、組合員名簿等の内容の確認をしなければならない。 |
この条文の新設で、理事長には①組合員名簿と居住者名簿の作成・保管義務、②組合員からの理由をつけた書面による請求があれば閲覧させる義務、③任意ですが書面の交付、メール等(電磁的方法)による提供といった規定ができました。
64条の2関係コメントでは、高齢者、障害者、乳幼児など災害弱者を事前に把握しておくことが望ましいとされています。
とはいえ、閲覧等に関しては、プライバシーに留意することも添えられていて、「閲覧の請求理由に照らして不要と思われる項目については、開示しないことも可能である」とも記されています。
居住者の高齢化、賃貸化や所在不明者の増加等によってスムーズな管理運営が困難となっているマンションが多くなってきたことから、このような条文が盛り込まれたのでしょう。
コメントの冒頭では、「組合員名簿のほか、設備点検等のために専有部分への立入り等を行う際の連絡先を把握するために、賃借人を含む現にマンションに居住している者の氏名や連絡先等を記載した居住者名簿を作成、保管することも定めている」とあります。
また、「居住者名簿の作成に当たっては、災害時における避難の支援や安否の確認等の円滑化の観点から、高齢者、障害者、乳幼児など災害時に自ら避難することが困難な者を事前に把握しておくことが望ましい」とも書いてあります。
◇
掲載した裁判例は、おそらく理事会の運営に不満を持つ区分所有者が組合員名簿の閲覧を要求したと思われるため、64条の2の規定を設けた目的と異なるかもしれません。
とはいえ、よりよい組合運営、コミュニティー形成を行っていくためにも、今後は防災面からも、社会福祉の面からも、組合員名簿、居住者名簿の作成が必須になっていくと思われます。
64条の2関係コメントには個人情報の取り扱いにも触れていますので、よく参考にして、組合員名簿、居住者名簿の作成に取り組まれたらよいのではないかと思います。
『マンション再生等マニュアル』見直しへ
国土交通省は8月29日、第1回マンションの再生等に係るマニュアル等の見直しに関する検討会(座長・戎正晴弁護士)を開催しました。
令和7年5月、区分所有法を含むマンション関連法が成立したことを受け、マンションの新たな再生手法(建物・敷地の一括売却、一棟リノベーション、建物の取壊し等)、それらに対応した事業手続等が創設されたことを踏まえ、現行のマニュアル等の全体構成及び内容の抜本的見直しを行うための検討会となります。
来年1月までに4回検討会を開催し、パブリックコメント(意見募集)を経て3月下旬にとりまとめ、公表する予定となっています。
リンク
第1回検討会資料
資料3 マンション再生等に係るマニュアル等の見直し
//www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001907829.pdf
資料4 マンション再生等に係るマニュアル等の見直し(各論)
//www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001907830.pdf
『マンションAI』相談+追加アドバイスサービス
全建センターでは、『マンションAI』からの「相談回答」にAI認定コンサルタントからの追加アドバイスを行うサービスを行っています。
まず、全建センターの『マンションAI』を利用していただき、相談すると、いくつもの解決策が得られます。
ただ、『マンションAI』は、全建センターの15年以上にわたる蓄積情報、その他あらゆる検索エンジン等から情報を収集し、分析・整理して回答したものとなります。
このため、それぞれのマンションに適した個別事案として、もっと詳細で具体的な説明依頼をする場合、全建センターが認定するAI認定コンサルタントが対応するのが、『マンションAI』相談+追加アドバイスサービスとなるわけです。
詳細は、下記専用HPをご覧ください。
新刊紹介/『芝園団地に住んでいます-住民の半分が外国人になったとき何が起きるか』

芝園団地は1977年竣工・SRC造 7/14/15階建て・15棟・2,454戸のUR賃貸住宅である。日本人住民は圧倒的に高齢者が多く、減り続ける日本人住民に代わって1990年代から中国人を中心とする外国人が増えた。そして、2015年11月、約5,000人の人口構成で、外国人の割合が半数を超えた。
日本人住民が高齢化し、外国人が半数になると何が起きるのか。
・約2,500世帯のうち、自治会への加入は500世帯未満。2,000世帯が未加入である。
・後からやってきた中国人は「よそ様の家」に住むくらいの存在であるべきである。
一方の中国人住民からは、「私たちは、よく思われていないですよね」という発言も。
本書はUR賃貸住宅での実例だが、分譲マンションの管理運営、つまりは管理組合業務に直結する問題でもある。
一読する意味のある、一冊だ。
(写真Book芝園団地に住んでいます.jpg)
著者/大島 隆
発行/株式会社明石書店
判型/四六判・240ページ
定価/1,760円(税込)
発売日/2019年10月1日
ISBN: 978-4-7503-4894-0
「標準管理者事務委託契約書」って何?! 利益相反行為やりたい放題方式にNO!
国土交通省の主導により、合法で利益相反行為が認められようとしています。
「令和7年マンション管理法改正に伴うマンション標準管理者事務委託契約書の策定等に関する検討会」が6月に設置され、標準管理者事務委託契約書が11月に公表される予定です。
「マンション標準管理者事務委託契約書」。
管理会社が管理者としてマンションに入り込み、理事会方式をなくして、利益相反行為でも何でもできるようにする、国のお墨付きの新たな標準委託契約書です。
◇
管理組合員の中から輪番制などで理事を選任し、その理事の互選で理事長を指名する。その理事長が区分所有法の「管理者」と位置づけられ、管理組合運営をしているのが一般的なマンションの例です。
「理事長」「理事会」は管理規約の用語で、法律にはありません。区分所有法にある「管理者」が権利関係その他、義務・責任を置くことになります。
区分所有法では、理事会がなくても管理者がいれば、管理組合運営ができるわけです。
そして、この法律上の管理者には資格要件がありません。区分所有者以外でも、自然人でも法人でもなることができます。つまり管理会社でもなることができるのです。
この制度を利用して、管理者の地位に管理会社の社員が就くという管理業者管理者方式を進める管理会社が急増しています。
管理会社にとって、交渉相手の理事会がなくなって、自分が管理者となり、組合資産を自由に使えれば、それは都合がよいでしょう。
そして、世の中の流れに沿って、区分所有法改正も手伝い、管理会社が管理業者管理者方式で管理組合と契約する場合の標準的な書式を決めようというのが「マンション標準管理者事務委託契約書」なのです。
◇
管理業者管理者方式となり、理事会がなくなるとどうなるでしょうか。
建物の保存行為(修繕工事)を発注する際、理事会がないので、管理者の判断で工事の発注ができます。当然、グループ会社が受注します。
管理組合の通帳と印鑑。現在、通帳は管理会社で、印鑑は理事長が保管するマンションが多いと思いますが、管理業者管理者方式では理事長職がないので、管理者が保管することになります。
管理会社が通帳と印鑑を持つということです。管理会社では、委託業務を行う部署と管理者管理を行う部署が異なるため、一線を引いているという説明をしていますが、同じ会社でそんな説明が通るのでしょうか?
大きな費用がかかる大規模修繕工事は委員会を作って、住民の意見を入れて決めるそうです。理事会の人材がいないのに、委員会で人が集まるでしょうか?
委員会を作成したところで、総会は管理者が招集し、委任状を集めれば、管理者が作成した工事提案が多数決で通ってしまいます。
管理者の決めたことに反対しようにも、総会は原則管理者に開く権限があり、不満な人は、法律上、区分所有者の1/5以上、かつ議決権の1/5以上を有するものを集めなければなりません。
管理業者管理者方式が通るようなマンションで、この1/5を集めることができるでしょうか?
コミュニティができているマンションであれば、そもそも管理会社のいいなりになっていないでしょう。
管理業者管理者方式は管理会社の利益相反行為やりたい放題方式。それが、何度も言いますが、「マンション標準管理者事務委託契約書」です。
◇
管理組合としての対処方法は、管理会社による管理業者管理者方式を認めないことです。「マンション標準管理者事務委託契約書」とは無関係な委託契約だけを管理会社と理事会理事長が締結することです。
実は一部の組合員を取り込み(たぶん利益をつかませるのでしょう)、「管理会社に全部任せた方がよい」と触れ込み、管理業者管理者方式「マンション標準管理者事務委託契約書」に誘導するケースが増えています。
私どもの相談でも、総会で管理業者管理者方式が議決された後に気づいて、相談に来られた事例があります。「前理事長が管理会社とつるんで、管理会社による管理業者管理者方式に決めてしまった」。
しかし、総会を通ってしまったら、もう遅いのです。
前述しましたが、管理方式を逆転させるには、1/5区分所有者・議決権の総会における決議が必要なのです。
◇
修繕工事会社の談合問題、なりすまし問題・・・すべては管理組合の無関心が最大の原因です。
営利企業に「お任せ」すれば、営利なのですから、それだけ費用が飛ぶのは当然です。あとから気づいて文句を言っても、論理的ではありません。
消費者が黙っていれば、国を含めてどんどん合法的な利益相反行為ができてしまします。
泣くのは消費者当人です。管理費、修繕積立金がどんどん値上がりし、取られていきます。
それでもよいですか?何もせずに、管理会社任せにしていると、泣くのは、あなたです。
<全建センター・大規模修繕工事新聞論説委員会2025/10/02>
『マンションAI』活用術② 『マンションAI』に相談し『マンションAI』に相談してみよう!
現在、全建センターの『マンションAI』は数多くのマンションの理事、あるいは組合員からご質問が寄せられ、それに対してマンションAIが回答している、という実例があります。
このコーナーでは、実際にこの数カ月の間に管理組合の皆さんが『マンションAI』を活用されている実例を紹介します。
【監修】全建センター筆頭理事・佐藤成幸
Q はじめて理事長になって、大規模修繕工事の進め方がわからない
AマンションAIの回答 はじめて理事長になり、大規模修繕工事の進め方がわからない場合、以下のステップを参考に進めてみてください。
1. 現状を把握する
・建物の劣化状況を確認
建物診断を行い、劣化状況を把握することが第一歩です。専門家による診断を依頼することで、修繕が必要な箇所や優先順位が明確になります。
一般社団法人 全国建物調査診断センターなどの第三者機関に相談するのも有効です。
・長期修繕計画を確認
既存の長期修繕計画を確認し、必要に応じて見直しを行います。修繕積立金の状況や将来的な資金計画も確認してください。
2. 専門家の力を借りる
・第三者のコンサルタントを活用
大規模修繕工事の経験が少ない場合、第三者の修繕コンサルタントを活用するのがおすすめです。
「マンションAI」認定コンサルタントのような中立的な専門家を選ぶことで、適正な修繕範囲や費用の見積もりが可能になります。
コンサルタントは、区分所有者の合意形成や工事会社の選定、工事監理までトータルでサポートしてくれます。
・管理会社に依存しすぎない
管理会社にすべてを任せるのではなく、第三者の視点を取り入れることで、より公正で適切な判断が可能になります。
3. 住民との合意形成
・情報共有を徹底する
修繕工事の計画段階から、住民に対して情報を共有することが重要です。
・説明会の開催
・広報物やニュースレターの配布
・理事会や委員会での議事録の公開
・住民アンケートの実施
修繕の必要性や住民の意見を把握するためにアンケートを実施するのも効果的です。
4. 工事会社の選定
・入札方式を採用
工事会社を選定する際は、複数の会社から見積もりを取り、比較検討する入札方式を採用します。
コンサルタントが入札資料の作成や業者選定をサポートしてくれる場合もあります。
・現場代理人の重要性
工事を取り仕切る現場代理人の能力が工事の成否を左右します。優秀な代理人を選ぶことが重要です。
5. 工事の進行管理
・工事中の監理
工事が始まったら、進捗状況や品質を定期的に確認します。コンサルタントが監理を行う場合もあります。
・住民対応
工事中は住民からの問い合わせや苦情が発生することがあります。迅速かつ丁寧に対応することでトラブルを防ぎます。
6. 工事後のフォローアップ
・竣工検査と報告
工事が完了したら、竣工検査を行い、問題がないか確認します。住民に対しても結果を報告します。
・アフターフォロー
工事後の不具合や追加の修繕が必要な場合に備え、アフターフォロー体制を整えておきます。
7. 参考情報
・無料相談を活用
一般社団法人 全国建物調査診断センターでは、無料でコンサルタントの紹介を行っています。紹介料や会費は不要なので、気軽に相談してみるとよいでしょう。
・情報収集
書籍やインターネットで事例を調べることで、他の管理組合の成功事例や注意点を学ぶことができます。
まとめ
初めての理事長として大規模修繕工事を進める際は、専門家の力を借りつつ、住民との合意形成を大切にしながら進めることが成功の鍵です。焦らず、計画的に進めていきましょう。
立ち食いそばの盛衰という食文化

●江戸の屋台から始まった「立ち食いそば文化」
立ち食いそばというと、せわしない都会の風景を思い出す人も多いのではないでしょうか。
ホームで電車を待つ間にズズッとすすり、出勤前に小腹を満たす。あるいは飲み会帰りに「もう一杯」ならぬ「もう一杯のかけそば」で締める。そんなサラリーマンも多くいることでしょう。
立ち食いそばの原点は江戸時代の屋台で立ったまま食べるスタイル。江戸では「夜鷹そば」、関西では「夜泣きうどん」として、庶民に親しまれました。落語の「時そば」にも描かれているように、庶民にとっては気軽で手早い食事だったのです。
その後、鉄道が整備された明治時代には「駅そば」という形で発展します。
移動の合間に短時間で食べられるため、立ち食いスタイルはピッタリでした。大正から昭和にかけては、労働者や学生、旅人が立ち寄る身近な食事処として定着していきました。
ところが太平洋戦争中と終戦直後に、立ち食いそばはほぼ壊滅します。戦争中は、そば粉も小麦粉も軍の統制下におかれ、農家は供出を命じられて、戦後はこれまで食料輸入をしていた朝鮮半島や台湾からの輸入ができなくなり、深刻な食糧不足が日本を襲ったのです。
特にそば粉は、東北や信州などの自給作物で、コメやムギのような主力作物ではないうえ、収量が少なく、戦後はそば粉が極端に不足しました。
1945年秋からアメリカの対日援助で余剰小麦粉が輸入されるようになると、終戦後のそば屋は、そば粉がほとんど入っていない小麦粉だけの『代用そば』を出さざるを得ない時代だったのです。
そして1950年代半ばから日中民間貿易が始まり、旧満州からそばの実やそば粉が日本に入ってくるようになります。このことはそば好きにとってよほどうれしかったらしく、当時の新聞報道に「中国からのそば実輸入で年末の年越しそば需要にめど」といった記事が載るほどでした。
●70~80年代、立ち食いそば黄金期
立ち食いそばが街中に一気に増えたのは、やはり1970~80年代です。高度経済成長を経て、都市部はオフィス街や繁華街が急速に拡大。朝から晩まで忙しく働くサラリーマンの胃袋を支えたのが、手早く食べられる立ち食いそばでした。
特にこの時期に勢いをつけたのが「名代富士そば」や「小諸そば」といったチェーン店です。
また、80年代は「バブル景気」の入り口でもあり、夜遅くまで働いたり飲んだりした後の「シメの一杯」としての需要も増加しました。立ち食いそばは、まさにサラリーマン文化とともに繁栄したといえるでしょう。
●立ち食いそば屋の衰退
しかし、2000年代以降になると、立ち食いそば屋は少しずつ姿を消していきます。理由はいくつもあります。
まず、原材料費や人件費の高騰です。そば粉や小麦粉、天ぷら油の値段が上がり、「安くて早い」を売りにしてきた立ち食いそば屋にとっては大きな打撃でした。
次に、ライバルの登場。牛丼チェーンやラーメン店、さらにコンビニの弁当やカップ麺が「安くて早い」市場を席巻しました。
さらに、ライフスタイルの変化も無視できません。若い世代や女性にとって「立って食べる」こと自体が敬遠されがちです。
加えて、駅構内の再開発も影響しています。昔ながらのホームの片隅にあったそば屋が、商業施設化やスペース効率のために閉店を余儀なくされるケースが目立ちます。そこにはカフェチェーンやベーカリーが入ることも多く、結果的に立ち食いそばの居場所が狭まってしまいました。
そして忘れてはならないのが、後継者不足です。個人経営のそば屋は高齢の店主が多く、跡継ぎがいないため閉店する例も増えています。またコロナ禍による外食産業全般への影響に加え、ロシアのウクライナ侵攻でのさらなる物価高が、立ち食いそば屋を襲っています。結果、個人経営の立ち食いそば屋は減り、生き残るのは資金力の大手チェーンのみ。
しかしそれもこれからどうなるかわかりません。あと数十年もたてば『立ち食いそば』という食文化はなくなっているかもしれません。もしそうなっても、それも時の流れというものなのでしょうか。
(巨椋修(おぐらおさむ):食文化研究所)2025-10
<おもしろコラム提供>//omosiro-column.com/

































