大規模修繕工事新聞は、2025年6月号よりWEB版での発行となりました。WEB版は毎月2日に発行されます。下記から無料登録いただきますと、毎月2日に大規模修繕工事新聞ダイジェストメルマガが配信されるほか、大規模修繕工事新聞<特版>が随時無料配信されます。(登録は無料です。また、登録解除・変更も随時可能です)

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大規模修繕工事新聞2026年5月 第197号

「マンション総研」始動

 

 マンションAI、SNS活用、実務を熟知したマンション管理士によるコンサルティングをてがける一般社団法人マンション管理士総合研究所(略称:マンション総研、水島一〈みずしま・はじめ〉所長)が5月1日、待望のスタートを切ります。
 

主な事業内容は、下記のとおりです。
・管理組合運営コンサルティング支援事業
・大規模修繕工事コンサルティング事業
・給排水設備改修工事コンサルティング事業
・各種セミナー及び研修会の企画、運営及び講師事業
・前各号に付帯する一切の業務
すべての業務と実務を熟知したマンション管理士が、マンションAIを駆使して、迅速かつ適切な総合コンサルティングを行います。
水島所長は事業のスタートにあたって、「環境が急速に変化する今、専門家の“第二の目”で、管理組合を最大限にバックアップします」と離しています。
※マンション総研の詳しい内容は下記のHPをご覧ください。
 
<リンク>
//mantion-soken.pro
※マンション総研は「一般社団法人全国建物調査診断センター グループ」です。

第80回管理組合オンライン・セミナー採録

一般社団法人全国建物調査診断センターが4月26日に配信開始した第80回管理組合オンライン・セミナーを抜粋・採録します。今回は、『管理組合を取り巻く関係業者とのこれからの付き合い方』をテーマに、一般社団法人マンション管理士総合研究所・代表理事の水島氏(マンション管理士)の講演の様子を紹介します。

 


1.チャンピオン制度
 まず、実際に管理組合の運営をする中で、みなさんは管理会社への管理委託内容や管理委託費の内訳は知っていますか?
 そして、その委託内容や委託費の通りに管理会社が履行しているかチェックしていますか?
 皆様ご存じと思いますが、昨年3月4日に談合問題が発生しました。この大規模修繕工事を取り巻く構造というのが、やはり管理組合が騙されてしまう主要な原因となっています。
 では、なぜ騙されてしまうのか。そこのところをこれから深掘りしてご説明をしていきます。
 大規模修繕工事は構造自体が複雑な構造になっています。さらに一般の管理組合の皆様とマンション業界人との間では、圧倒的に情報量と知識レベルが違います。
 談合問題では、設計監理方式と管理会社方式、この2つで実際に談合が発覚しました。では、なぜ、このような発注方式で談合が行われたのか。
 3・4談合問題報道前は、設計監理方式が一番、クリアというか、透明性があって良い方式だと推奨されていました。基本的に、施工会社と設計監理者を分けるということで、業者選定に関しても、その方が良いというところで採用されてきましたが、3・4談合問題報道を深掘りしていくと、この方式が談合の温床だったことがわかってきました。
 では、設計監理方式というのは誰が行うのか。基本的には一級建築士事務所、管理会社の設計部門が行っています。
 施工会社と設計者を別々にする、離すことが癒着や談合が置きにくいとして浸透してきたと言われています。
 ただ、設計監理を行う一級建築士事務所も管理会社も多くの取引先の施工会社が存在します。そして、設計事務所が設計をすることなく、施工会社が工事を取り仕切ることがあるのです。
 これを業界では「チャンピオン制度」と言っていまして、あたかも設計事務所が設計をしていると見せかけて、実際には指定の施工会社が行って、見かけ上の入札をして、落札をするという仕組みです。
 そして、設計事務所は落札をした施工会社からフィーを受け取っていることも判明しています。
 設計事務所の都合で特定の会社に誘導して落としていく「チャンピオン制度」。管理組合が騙されていたものです。


2.施工会社持込制度
 実際に工事をする施工会社が設計事務所に仕事を持ち込むケースがあります。
 あたかも設計事務所が仕事をしていると見せながら、裏では持ち込んだ施工会社が仕事を取る方式です。
 決定的に金額が高くつくことにつながっていくとともに、競争関係が全く働かないようなですね状況に陥っています。
 一級建築士といった肩書きだけで判断してしまうと、実際にこれも横行しているケースです。非常に危険である設計監理方式の大きなポイントだと思います。

 

3.管理会社による責任施工方式(管理会社方式)
 まず、管理会社にそもそも設計業務をできる方がいるのかという問題があります。
 私も実際に管理会社に属しておりましたが、管理会社というのは、例えばフロント業務や会計業務を行うところがメインの部門です。
 ですので、工事部門は営繕工事、例えば、日常的に発生するような工事の見積もりチェックや業者の手配等を行うのがメインです。
 明らかに大規模修繕工事に慣れている社員は圧倒的に少ない。少ないのに物件数はある。ではどうやってさばいていこうかとなると、設計事務所と同様、施工会社の力を借りるしかないのです。
 現在のマンション大規模修繕工事は70%がこの方式で行われているという統計がでています。フロント担当がふつうに管理組合をサポートしていれば、黙っていても仕事が来るということになります。
 管理会社も多くの施工会社との取引がありますので、これも順番に工事の段取りをしていくというのが一般的に行われているのです。
 管理組合が選ぶのではなくて、管理会社の都合で、例えば今回の現場はA施工会社にしましょう、今度の現場は前回お手伝いをしてもらった
 B施工会社にしましょうという図式が成り立つようになります。
 ここで一番の問題は、管理会社が長期修繕計画を作っていて、管理組合の懐事情、お財布の中身を知っているということです。
 「管理会社に任せておけば管理組合としては安心だ」という考え方につけ込む、それが管理会社方式です。


4.全責任コミット制度
 管理会社方式の中でも、全責任コミット制度というものがあります。
 例えば、大きな工事を行う場合、何かあったときの責任は「そのときの役員さんが負ってしまいますよ」というように、危機感をあおります。「でも、管理会社にお任せいただければ、フロントマン、管理員がすべてフォローします よ」と、管理会社がコミットをした形で仕事を取りに来るケースをこう呼んでいます。


5.防御策・解決策とは
 1つ目は、やはり第三者の導入による支援です。
 理事会、役員にバイアスがかかっていると、正常な判断が効かなくなります。また走り出してしまうと止められなくなってしまうというケースがありますので、そこに待ったをかける第三者の存在が必ず必要になってくると思います。
 2つ目は、プロセスの見える化です。
 前述のどの方式でも、どういった手順でやっているかをオープンにすることです。
 そして、見積もりにエントリーする会社に対して、「談合しません」という念書を取るといった管理組合も出てきています。
 ただ、そうした念書を取るなど、普通の役員ではできない場合は、やはり第三者の力を借りる必要があると思います。
 3つ目は、全建センターで力を入れているAIを使った支援です。
 この全建センターのAI活用としては、一般社団法人マンション管理士総合研究所、略称マンション総研と呼ばせていただきますけど、AI活用と管理実務に熟知した私を含めたマンション管理士が管理組合のサポートをさせていただきます。
 業務スタートは5月1日となります。お問い合わせは5月1日以降にいただけたらと思います。ご相談をお待ちしております。
 本日はご清聴いただきまして、誠にありがとうございました。


一般社団法人マンション管理士総合研究所(略称:マンション総研)
東京都墨田区石原1-24-3-1404
TEL 050-3852-3770  Email  info@mantion-soken.pro
//mantion-soken.pro

 桜まつり開催/グランフォーレ戸塚ヒルブリーズ

3月29日10時~、浜管ネット正会員のグランフォーレ戸塚ヒルブリーズ(2002年竣工・2棟・206戸)で開かれた第23回桜まつりに参加してきました。
桜祭りは自治会が、同管理組合と共に毎年行っているもので、今年で23回目になりました。近年は近隣の3つのマンション自治会、地元町内会が協賛、出展者として加わり、地域的な広がりが大きくなっています。
当日は快晴、桜九分咲きと絶好の花見日和となり、大勢の人々が参加し、大盛況の桜まつりとなりました。
出店は焼きそばや豚汁、焼き鳥、牛丼、綿菓子、ホットドックなど。イベントでは地元中学校吹奏楽部の演奏、シャボン玉で有名な杉山兄弟の演目、戸塚密着型シンガーソングライター・Kaho*の演奏、吉田町お囃子の演技が披露されました。
桜祭りの予算は、自治会員向けの引き換え券やブラスバンド部へのお弁当代、ボランティア保険加入費、模擬店用のガスボンベ代、外部招聘者への出演料など、合計約25万円。すべて自治会費から賄っているといいます。
自治会の加入率が減少している中、イベントを通して、居住者間のコミュニティー形成の可能性を探っています。

 

第23回桜まつり集客の様子

杉山兄弟のシャボン玉演技

不思議なシャボン玉に大喜びの子どもたち

恒例の中学校吹奏楽部の演奏発表

戸塚密着型シンガーソングライター・Kaho

焼きそばを準備している地元町内会の人々

2026年度マンションすまい・る債の募集を開始

 独立行政法人住宅金融支援機構はマンションすまい・る債について2026年度の募集を開始しました。今年度より、管理計画認定を取得したマンション向けの「認定マンションすまい・る債」は通常の新規応募債券の利率に0.1%を上乗せするほか、マンション管理適正評価制度において「★4つ以上」の評価を取得したマンション、またはマンション管理適正化診断サービスにおいて「S評価」の診断を取得したマンション向けの「ステップアップすまい・る債」を新設しました。
 また、すまい・る債を利用すると、マンション共用部分リフォーム融資の金利年0.2%引き下げ、保証料の2割割引といった特典があります。
 2025年度の応募実績は、通常分129,665口・2,838管理組合・648億円/認定分46,338口・533管理組合・232億円でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【2026年度募集債券】
応募受付期間:4月13日~10月9日
債券の利率(10年満期時平均利率):
○認定すまい・る債/税引前2.100%(税引後1.7784%)
○ステップアップすまい・る債/税引前2.050%(税引後1.7361%)
○マンションすまい・る債/税引前2.000%(税引後1.6938%)
募集口数:582,089口(総額2,910億4,450万円)
購入口数:1口50万円として複数口購入可能
購入回数:最大10回(毎年1回)継続購入して積立可能
債券の購入額:1年間の修繕積立金額に、前年度決算における修繕積立金会計の残高(定期的に積み立てた修繕積立金の残高や修繕積立基金の残高等、修繕積立金会計の各科目の残高の合計額から借入金額を除いた額)を加えた金額の範囲内
利息の受取:満期まで毎年1回定期的に利息が支払われる。
債券の満期:各債券の発行時期から10年後
保護預り:盗難・火災・紛失等の事故により財産の保全に支障を来さないよう、全ての債券は機構が無料で保管(保護預り)する。


主な応募要件

①管理規約が定められている。
②長期修繕計画の計画期間が20年以上である。
③反社会的勢力と関係がない。
応募書類
①積立申込書兼送付先指定依頼書
②管理規約(全文)の写し
③代表権等確認書類(管理組合の名称および代表者の代表権を確認する書類)
<例:総会議事録(必須)、理事会議事録等>
認定すまい・る債の提出書類
①(応募時)認定通知書の写し(地方公共団体が発行し、公印のある認定通知書の写し)
②(継続購入時)認定状

 


これまでの募集結果及び募集結果分析
//www.jhf.go.jp/files/topics/6216_ext_99_2.pdf
マンションすまい・る債HP
//www.jhf.go.jp/kanri/smile/index.html

リ推協 2025年度住宅リフォーム実態調査

 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会(リ推協)は2月、「2025年度住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査」をまとめ、結果報告書を公表しました。
 これによると、マンションリフォームの平均費用は316.9万円。検討時の希望予算が273.6万円で、その差が40万円超になることがわかりました。
 リフォームを検討するきっかけは「住宅の設備や構造を修繕したかったから」が59.4%で圧倒的に多く、「住宅の性能や設備を向上させたかったから(耐震や省エネ性能の向上、長期優良化、防音、防災、防犯面の強化)」という理由も31.0%ありました。
 リフォームで実現したいことは「一部の部屋の全面改修をする」の割合が最も高く、「省エネ性能を高める」、「健康増進や病気予防に配慮した室内環境にする」と続きました。
 リ推協では、調査は住宅リフォームの意識と行動についてインターネットを通じて明らかにするとともに、住宅リフォームの需要拡大の方策を検討することを目的に実施したとしています。

検討者のリフォーム希望予算

実施者のリフォーム費用

予算と実際の費用の乖離

大規模修繕での隣地の使用承諾、所有者が拒否 令和5年民法改正では「使用請求」から「使用できる」へ

 令和2年8月20日東京地裁
平成30(ワ)11855号 隣地使用請求事件

【当事者】
原告:管理組合X(管理者)
被告:マンションに隣接する土地(甲地、乙地、丙地)の所有者Y


【事案の概要】
本件マンション(昭和63年竣工)は南西側外壁のタイルに浮きやひび割れなどの劣化が見られたため、外壁全面の補修工事を計画しました。このため、原告である管理組合Xは、足場設置や作業員の立ち入り、資材置き場として、被告が所有する隣地の使用承諾を、民法209条1項(隣地使用権)に基づいて求めました。
これに対して被告は、対象地を月極駐車場として第三者に賃貸しており、(1)自分に被告適格がないこと、(2)マンション敷地内のみで工事が可能であることなどを理由に、使用を拒みました。
このため、管理組合Xが対象地の資料を求めて提訴した事案です。

民法209条(隣地使用権)について
・土地の所有者が、境界付近での工作物の設置や修理など、一定の目的のために必要な範囲で隣地を使用できる権利
・2023年(令和5年)改正で、「隣地の使用を請求することができる」→「使用することができる」という表現に改められ、権利としての性質が強まりました。

【裁判所の判断】
(1)被告の当事者適格
被告は「土地を賃貸しているため占有していない」と主張しましたが、裁判所は、被告が土地の所有者として間接占有しており、かつ使用を求める箇所が駐車区画そのものではなく通路等であることから、被告が管理支配権能を有すると認め、被告適格を認めました。
(2)使用の必要性
外壁タイルの劣化状況から工事の必要性は高く、安全かつ効率的な作業(作業員が電動工具等を持ち移動・屈伸するなど)のためには、外壁から約60cmの幅が必要となります。
マンション敷地内の隙間(約50cm)では不足しており、ピロティや開放廊下の利用、あるいはゴンドラによる施工は、物理的な困難や損傷のリスク、安全性の観点から代替案として不適当であると認められました。
(3)不利益の程度
足場の設置期間は順調にいけば約20日間であり、越境幅も限定的です。
設置・解体時に車両のすれ違いが一時的に困難になるなどの影響はありますが、期間が限定的であり、駐車場利用を全面的に妨げるものではないと判断されました。


【結論】
裁判所は、外壁補修工事のために被告土地1の全部、被告土地2の一部(境界から1.35m幅)、被告土地3の特定部分を使用することを承諾するよう被告に命じました。

 

 

全建文庫、60冊突破/全建文庫電子Book版を無料公開しました。

 全国建物調査診断センターでは創立から17年以上にわたり毎月「大規模修繕工事新聞」をマンション管理組合に発信し続けて交流を促進してまいりました。また、隔月で開催している管理組合セミナーは80回となりました。さらに、これら蓄積した「経験情報」を各テーマ別にまとめ、全建文庫として販売しておりますが、その数が60冊に突破いたしました。 今後もマンション管理組合セミナーや大規模修繕工事新聞の取材、管理組合セミナー、そして、全建センターで取り扱った各種相談などから情報を収集・編集し、発信してまいります。 なお、全建センターでは、全建文庫60冊突破を機に、管理組合、マンション居住者に同文庫の電子ブック版を無料公開しました。 無料公開の全建文庫一覧は下記の専用HPで公表、こちらから、読みたい書籍の画像をクリックすると、当該書籍閲覧するための暗証番号が求められるので、専用HPに公開されている暗証番号を入力すると、当該書籍電子ブック版が表示されます。
//z-center.net/zenkenbunko

発行元の全建センター・吉野代表理事は「貴重な情報源として多くの管理組合役員から高く評価されていることから、一般社団法人設立の趣旨から、これを広く無料公開することで、大規模修繕業界に降りかかっている様々な問題解決の一助になれば」と公開に至った心情をかたり、「100冊発刊のゴールを目指して、今後も、全建文庫の発行を続けていきたい」と決意を述べている。

全建文庫は下記サイトから閲覧または購入(紙書籍版)ができます。

1.全建Library登録で、全建文庫の全巻が電子ブックでも閲覧できます。
//zenken-center.com/library
全建Libraryサブスク登録
//credit.j-payment.co.jp/link/creditcard/input

2.全建出版販売
//zenkenlibrary.shop-pro.jp

3.Amazon

4.TEBRA書店

5.全建文庫60冊突破チラシ

『Q&A マンション標準管理規約の改正』

今般改正された区分所有法に伴い、2025年10月17日に改正されたマンション標準管理規約についての解説書です。
改正区分所有法の施行日(2026年4月1日)以降、法改正前の管理規約のうち、区分所有法に抵触する条項は無効となります。このため、それぞれのマンションの管理規約も、改正法と社会的な課題を知った上で見直さなければなりません。
本書では、改正された標準管理規約を正しく理解するため、図表やQ&A方式を用いるなどして、わかりやすく解説されています。
(Q&A マンション標準管理規約の改正.jpg)
『Q&A マンション標準管理規約の改正
-マンションの管理と再生の新しい仕組み-』
2026年4月1日発行
編著者/渡辺 晋
発行/公益社団法人マンション管理センター
判型/A5判192ページ
定価/2,750円(税込)
発売/㈱大成出版社
ISBN 978-4-8028-3643-2
(リンク)
//www.taisei-shuppan.co.jp/new/detail.html?code=3643

 

『写真でたどる 勝手気ままな旅日記〔私家版〕』

 荻野化成(株)・荻野賢二会長が塗料・塗装業界の全国専門紙『塗料界新報』に掲載してきた旅日記を1冊の書籍『写真でたどる 勝手気ままな旅日記』としてまとめ、私家版として上梓しました。
 旅のはじまりは2010年、荻野化成の社長を次男である圭輔氏に引き継いだときで、スイス10日間「JTB世界の旅情」でした。
 そのツアーで知り合った当時85歳の旅慣れた男性に、自作の旅行記を見せてもらったのが、荻野会長自ら旅日記をつけるきっかけだったと言います。親しい友人だけに配信する目的で、高校時代に写真部に所属していたことから、写真中心の旅日記として、楽しかった思い出(特に人との出会い)を記録に残すことにしたということです。
 書いた旅行記は海外、国内集めて40作以上。この中から「海外編」「船旅編」「国内編」として28作を選りすぐり、本書に収めています。
 荻野会長は「旅日記をつけるようになって、面白おかしいネタを探すようになったけど、観光名所というより、人との出会い、結局それが一番です」と話してくれました。
 「やっぱり生きる目標が欲しいしね」。このところは、毎月1度は京都を訪れ、京都の風情を旅日記にまとめているそうです。
 『大規模修繕工事新聞』では、『塗料界新報』を引き継ぎ、荻野会長の旅日記を不定期に掲載していく予定としています。

2025年1月1日発行
著者/荻野賢二(荻野化成(株)会長)
判型/A5判285ページ
編集・制作/本多順子((株)トーカ 冬花社)

荻野賢二会長(イギリスのロンドンにあるバッキンガム宮殿前で)

ホルムズ海峡の混乱とマンション大規模修繕工事の危機

断熱材40%、シンナー製品最大80%値上げ
 中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の混乱は、単なるエネルギー問題に留まらず、マンション大規模修繕工事に大きな影響を与え、現状は「危機」にあるとさえ考えられます。
問題は、建材の約8割を原料とするナフサ(粗製ガソリン)の供給不足です。ナフサの不足を背景に、大手メーカーは断熱材の40%値上げ、シンナー製品の最大80%という値上げも打ち出しました。  一部ではユニットバスの受注停止や、補修剤の出荷制限も始まっています。
 特に深刻なのは、管理組合が悲鳴を上げる分譲マンションの大規模修繕工事への影響です。
 現場では「足場は組んだが塗料が届かない」という異常事態が常態化し、工期の遅延がさらなる人件費の増大を招く悪循環に陥っています。
 数年前に策定された長期修繕計画は、1.2倍から1.5倍に跳ね上がった見積もりの前で無力化しています。修繕積立金不足から工事項目の削減を余儀なくされ、中には一時金の徴収に追い込まれる組合も出はじめています。

 もはや管理組合の力、またはマンション改修業者の「自助努力」で解決できる段階を遥かに超えているといっても過言ではありません。


「ナフサ・ショック」への対策は?
 状況が落ち着くまで、大規模修繕工事そのものを控えるという選択肢もあります。しかし、すでに着工している場合、材料が入荷するまで足場を架けたまま待つのか、一旦解体して中断するのかといった苦渋の決断を迫られるケースが出ています。
 現在、もはやそうした危機的状況にあるのです。
 「ナフサ・ショック」による資材高騰と供給不安定を受け、これから大規模修繕工事を予定する管理組合が検討すべき対策は、「工事計画・仕様の見直し」「資金計画のアップデート」「契約内容の精査」の3点に集約されます。

1. 工事計画・仕様の見直し
 従来の計画に固執せず、現在の資材状況に合わせた現実的な判断が求められます。
 特に供給が滞っているシンナーなどの溶剤系塗料から、水性塗料への切り替えを検討することが考えられます。また、特定のメーカーの材料が入らない場合は、他メーカーへの変更も視野に入れる必要があるでしょう。
 予算不足に対応するため、今回は鉄部塗装のみにするなど、工事項目を削減・限定して「今できる修繕」を再定義することも対策のひとつです。

2. 資金計画アップデート
 数年前の物価水準で作成された長期修繕計画は、もはや通用しない状況です。
 予算オーバーが確実な場合、予備費の活用や、一時金の徴収、修繕積立金の値上げについて臨時総会で議論を始める必要があります。

3.契約内容の精査
 資材価格の変動が激しく、従来の手法では対応しきれないリスクがあります。
 契約から着工までのタイムラグによる欠品を防ぐため、施工会社に対して資材の早期確保を確約させることが重要です。工事期間中にさらなる資材高騰が起きた際、その費用をどう分担するかを契約書に明記し、リスクを明確にしておきましょう。


最後に
 政府の対応については現場から「認識が甘い」との批判もあり、供給不足の解消には時間がかかる可能性があります。
 さらに資材不足に加えて、人材(職人)の確保も難しくなっている昨今です。マンション改修を取り巻く環境は今、何から何まで、逆風が吹いている状況にあるのです。
 全建センターでは専門スタッフによるコンサルティングを行っております。専門家による客観的なデータなどから、情報を得て、組合員の不安を解消する手立てを講じることも必要です。
 管理組合としては、現在の「目詰まり」が長期化することを前提とした、慎重かつ迅速な意思決定が求められています。

<全建センター・大規模修繕工事新聞論説委員会2026-5-02>

 

『「マンションAI®」活用術⑧8 「マンションAI®」に相談してみよう!

「マンションAI®」に相談してみよう!

現在、全建センターの「マンションAI®」は数多くのマンションの理事、あるいは組合員からご質問が寄せられ、それに対してマンションAIが回答している、という実例があります。
このコーナーでは、実際にこの数カ月の間に管理組合の皆さんが「マンションAI®」を活用されている実例を紹介します。
【監修】全建センター筆頭理事・佐藤成幸

Q   

マンション1階にシロアリが発生。どう対応すればよい?


A    

シロアリが地中から建物の構造部を通って浸入している場合、建物の維持管理の問題となるため、管理組合が全体的な駆除・防蟻処理を行うのが一般的です。
 管理組合では、まずは専門業者に調査を依頼します。
・シロアリの種類(ヤマトシロアリ、イエシロアリ等)
・浸入経路(基礎のひび割れからか、配管からか等)
・被害の範囲(構造体に及んでいるか)
 これらを特定することで、対策を講じます。
 1階の床下で発生したシロアリを放置すると、建物の構造全体(他の住戸や共用部分)に被害が広がる恐れがあります。
 このような場合、管理組合は「建物全体の資産価値維持」の観点から、管理組合負担で一斉に防蟻処理を行う決断をすることが多いです。
 シロアリは建物の安全性を脅かす問題であるため、個人の専有部分に被害が出ていたとしても、管理組合が「建物保護」の目的で一括して対策費用を算出する(または一部補助する)ケースも少なくありません。
 個人でシロアリ被害を発見したときは、まずは管理組合の理事会や管理会社へ状況を報告し、調査を先行させるのが賢明です。
 区分所有法第9条(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定)により、建物の設置・保存に欠陥がある場合は、それが共有部分にあるものと推定されるため、管理組合側が「専有部分が原因であること」を証明できない限り、基本的には管理組合側の対応が求められる傾向にあります。

 

むかし話『三枚のお札』が教えてくれる、今を生きる知恵

 むかし話『三枚のお札』は、山へ出かけた小僧が、楽しく山菜を採るうちに道を見失い、親切そうに見える山姥の家に招かれる。だが、その親切は本物ではない。正体を知ったとき、小僧は逃げる。そして、三枚のお札を使いながら、ぎりぎりのところで命をつなぐ。
 この話を現代に引き寄せると、まず見えてくるのは「人は、順調なときほど迷いやすい」ということだ。小僧は最初から困っていたわけではない。むしろ山菜がたくさん採れて、気分よく歩き回っているうちに帰り道を失った。これは仕事でも人間関係でも同じだ。調子がよいとき、人は確認を怠る。成果が出ているときほど、足元を見なくなる。 便利さやスピードに夢中になるうちに、自分がどこへ向かっているのか分からなくなる。『三枚のお札』は、迷うのは無能だからではなく、夢中になった結果でもあると教えてくれる。だからこそ私たちは、うまくいっている日こそ立ち止まる習慣を持ったほうがいい。
 次に大切なのは、「違和感を見過ごさない力」だ。山姥は最初、やさしいおばあさんの顔で近づいてくる。危険はたいてい、怖い顔では現れない。甘い言葉、都合のよい誘い、過剰な親切、うますぎる話。現代なら、SNSの情報、ビジネスの勧誘、ブラックな職場、依存的な人間関係にも置き換えられるだろう。何かおかしい、と心が小さく鳴らす警報は、理屈より先に働く。『三枚のお札』の小僧が助かったのは、山姥の正体に気づいたからだ。つまり人生では、正しい答えを早く出す力よりも、危険な場所から早く離れる力のほうが重要なことがある。
 さらに、この話は「大きな力より、小さな備え」を評価している。小僧が持っていたのは剣でも財宝でもなく、たった三枚のお札だ。だが、その小さな備えが命綱になった。現代でも同じで、私たちを救うのは劇的な逆転策より、地味な準備であることが多い。信頼できる人の連絡先、少しの貯金、断る言葉、休む勇気、情報を見極める習慣、困ったときに相談できる相手。どれも派手ではないが、追い詰められたときには決定的に効く。問題が起きてから英雄になろうとするより、起きる前に「自分のお札」を持っておくことのほうが、ずっと現実的だ。
 そして見逃せないのは、「一人で最後まで戦わない」という点である。小僧は自力で寺まで逃げ帰るが、最後に山姥を退けるのは和尚の知恵だ。ここが重要だ。自分でできるところまで頑張ることは必要でも、全部を自分だけで解決しようとしなくていい。むしろ限界の見極めこそ成熟だろう。現代では、心身の不調なら医師やカウンセラー、仕事の問題なら上司や同僚、法律やお金の問題なら専門家に頼ることができる。助けを求めるのは弱さではなく、被害を拡大させないための知性だ。昔話の和尚は、最後の最後で「知恵のある他者」が必要であることを示している。
 また、和尚が力でねじ伏せず、相手の性質を見抜いて山姥を退けるところも示唆的だ。現代の問題も、真正面からぶつかるだけでは解けない。無理な相手には距離を取る、感情的な対立は長引かせない、戦う土俵を変える、ルールや仕組みを使う。つまり、根性論だけではなく戦略がいる。頑張り続けることが美徳に見える時代ほど、この視点は大切だ。「耐える」より「見切る」、「押し返す」より「抜け出す」。それもまた、生きる力である。
 『三枚のお札』は、結局のところ「人生には山姥のようなものが現れる」と告げる物語だろう。誘惑、油断、孤立、偽りの親切、逃げ遅れ。誰の毎日にも形を変えて現れる。けれど同時に、この昔話は悲観だけを語っていない。迷ってもいい、怖がってもいい、逃げてもいい、助けを求めてもいい。そして、手元の小さなお札を信じればいい、と語っている。現代に必要なのは、何者にも負けない強さではなく、危険を見抜き、備えを持ち、頼るべき相手に頼り、賢く生き延びる力なのだ。

(ジャーナリスト 井上勝彦)
 <おもしろコラム提供>//omosiro-column.com/

一般社団法人全国建物調査診断センターが2カ月に1回開催している管理組合オンライン・セミナーは、おかげさまで、4月26日(日)に開催したセミナーでで通算80回となり、大規模修繕業界及びマンション管理組合業界に少なからず貢献できたと自負しています。

特に、今回のセミナーでは、全ての管理組合、マンション居住者にとって、避けて通れない緊急の課題を取り上げておりますので、是非多くの皆様にご視聴いただけますよう重ねてご案内申し上げます。

今回のセミナーでは、談合問題の解決に役立つと期待されている、このほど発足した「一般社団法人マンション管理士総合研究所(略称:マンション総研)」について、その詳細を公開するとともに次のようなテーマを予定しています。

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