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大規模修繕工事の報告書を作ろう

大規模修繕工事の報告書を作ろう

NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2021年1月5日付第460号「論談」より

◆280ページの報告書
横浜市緑区の霧が丘グリーンタウン第一住宅(408戸)は、平成23年から5年がかりで、専有部、共用部の給排水管更新、電灯幹線交換、ガス管・屋外排水管更新、水道直結などのライフライン関係の工事に取り組んだ。
管理組合は工事関係に関する情報を漏らさず記録した280ページの報告書を作成、全戸に配布した。
◆住民の業務を詳細に
報告書は準備段階からはじまり、工事の検討、計画素案作り、資金ねん出の検討、スケジュール設定、設計事務所や工事請負会社の選定など重要な事項について詳細に記録している。
また、工事の進め方で重要な役割を占める住民からなる実行委員会の業務、委員の紹介も記録。管理組合は広報紙「ライフラインルネッサンス」を発行、工事の詳細、工事にかかる費用、住民としての注意事項なども詳細に伝えている。
平成26年10月の臨時総会では、住民との工事に関する詳細な質疑応答を広報紙に載せている。

◆見守り隊の編成も
 さらに専有部と共用部の給排水管更新工事では、工事に伴い住民の1週間の在宅が必至とされ、管理組合が公共住宅を6戸賃借し、住民に順次使用させるという思い切った方策をとった。専有部分に工事業者が立ち入るため、住民のひとりは在宅してほしいという工事業者の要求で、管理組合は同じ住棟の住民が他の住民の体調を見守る「見守り隊」を編成、実行した。
 ユニークな策だが、見守る住民と在宅住民とのコミュニケーションが深まるという副次効果も生んだ。
 設計コンサルタントからは「住民がここまでやるのかと感動した。まさに住民総参加の工事で、今まで体験した一番印象に残る工事だった」といった話も出ている。
◆報告書の役割
 マンションの大規模修繕工事は12年~15年おきに行われるのが通例だ。最近は100年マンションを目指す管理組合も増えてきた中で、大規模修繕工事の位置づけの重要
性が増してきたが。工事についての詳細な報告書を作成する管理組合は多くない。
 管理組合で作成せず、設計コンサルタントの報告書、施工業者の報告書、施工業者の報告書の保存で済ませる管理組合が多い。
 大規模修繕工事へのビジョン作りなど次への大規模修繕につながる工事だけに、ぜひこのような報告書の作成に挑戦してほしい。 (NPO日住協論説委員)

(大規模修繕工事新聞 134号)


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