外構、ダスト室を全面改修
管理組合の計画修繕はいまだ途上
「北砂四丁目住宅」とは…
1972年建設の「住宅供給公社所有権留保付き長期分譲住宅(所有権留保付きマンション)」。住宅金融公庫(当時)への住宅ローン全額を返済するまで住戸と敷地の所有権は東京都住宅供給公社に留保されるという住宅の供給方法で、このため建設から36年目の2008年に初めて管理組合を設立した。
管理組合ができてからというもの、これまでの公社の維持管理を取り戻すように組合の取り組みが活発となり、本紙第22号File Data.27、第60号File Data.69でも過去の工事例を紹介。現在も継続している工事計画の途中である。
東京都住宅供給公社が維持管理を行っていた35年。この時間を取り戻すかのように管理組合が主体となり、資産価値を意識した維持管理を行っている。
資産価値とはつまり「若者、ここに住んで親から独立していった子どもたちが戻ってこられるようなマンション」にすること。
一方で「年老いた親たちのためにもバリアフリー」も同時に視野に入れている。
今回、計画修繕第3弾として紹介するのは、駐車場や建物外周のアスファルト舗装打ち替え等の外構改修と、建物内に22カ所あるダスト室(上階のダストシュートにごみを入れると1階のゴミ溜め室まで落ちていく仕組み)の改修工事。
駐車場・車路・外周は既存のアスファルトを撤去し、植栽を伐採・移植。埋設排水管の補修も行うなど、すべて剥がして敷きなおすといった全面改修となった。
幸いなことに仮設駐車場は北側の空地を利用することができた。また南側の空地には築山を作ってツツジや紅葉を移植し、庭園とした。
植栽を整理したことで車1台分のスペースを幅2.3mから2.5mへ広げ、さらに駐車しやすいようにラインを2重線とした。身障者用の駐車場を新設することもできた。
外周のアスファルトを剥がしてわかったのは埋設排水管の詰まり。排水が逆流していたり、その他雨水マスに汚水が流れ込んでいる部位もあった。詰まりはバキュームで除去し、補修にあたった。
ダスト室は、天井・壁・床、玄関扉のサッシ、給排水設備、照明交換等の全面改修工事。北側と南側のダスト室のどちらか片方を使えるように工程管理をしたが、526戸のごみが片方に集まる。工期は片方約3カ月。住民は不便を強いられたようで
あった。
ただし、施工後は清潔感あふれるダスト室に変身。管理組合の願う資産価値アップにつながる改修工事となった。 次回工事は今秋予定。管理組合の計画修繕はいまだ途上である。
■設計・監理者:アワーブレーン環境設計株式会社
東京都中央区新富1-3-2 新富町一丁目ビル4F
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■施工者:株式会社アール・エヌ・ゴトー
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(大規模修繕工事新聞 第65号)