自前のヘルメ、ベストで検査にも立ち会い
工事の大きな課題はバルコニーの手すり。スチール製からアルミ製に変更するのだが、スチールの手すりをカットする際の騒音はかなり大きく、また一時的にせよカットして手すりがなくなってしまう。騒音については管理組合の理解を得て住民に伝えてもらった。
手すりがない状態では、作業中の数時間だけ外から窓が開かないように工夫した。掲示していてもいつ何が起こるかわからないための安全対策である。
「とにかく管理組合の積極的な参加にはすごく驚かされた」と、工事を請け負った㈱カシワバラ・コーポレーションの工事部長は話す。
「理事会と修繕委員会の方が主要な検査に立ち会ってくださった」。管理組合自前のヘルメット、自前のベスト、足場に上がる際の保険を管理組合で加入するなど、安全対策の配慮も組合で行った。
毎朝の朝礼には修繕委員の4、5人が常に参加。ラジオ体操から、安全面での注意を作業員らに一言言ってもらえたことが士気にもつながった。
こうして普段からの積極的な参加から、コミュニケーションもとりやすく、施工してから出てきた問題―例えば想定以上にシールの打ち替えをしなければならない、コンクリートをはつったら鉄筋が補強筋にならないほどさびていたなど―、費用がかかる問題等を管理組合との話し合いで素早く対応できた。それこそが今回の工事のベストポイントだったのかもしれない。
(大規模修繕工事新聞 第03号)