近年、話題となっている外断熱改修。首都圏で必要の有無を問われると管理組合の考え方、判断に委ねるしか回答はないが、実際に改修工事を行った物件をみると、少しは参考になるだろう。
外断熱とは建物を外側からすっぽり断熱材で覆う方法。日本の建築物のほとんどがコンクリートの内側に断熱材を施す内断熱工法を用いている。
●外断熱のメリット
・ 外断熱は断熱材により外壁を保護するため、コンクリートの中性化を防げることができる
・ 高気密化住宅においても結露の発生を防げることができる
・ 室温が外気温に影響されず、小さなエネルギーで効率よく冷暖房できるため、室内温度が安定し、快適な温熱環境を維持することができる
●外断熱のデメリット
・コストがかかる
・ 壁厚が増え、開放廊下が狭くなる場合は消防法に抵触する場合がある
・断熱材の耐震性、耐火性、強度に不安がある。
─ 工 事 概 要 ─
・ 1986年竣工・全10棟
+戸建て28戸・174戸
・ 外壁及び床下と開口部の断熱改修、第2回大規模修繕工事
(大規模修繕工事新聞 第05号)