月刊「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。コロナ過を契機に発行形態を紙媒体から全面的に電子版に移行いたしました。それにともない、これまで首都圏、関西圏のみの発行でしたが、ネット配信の強みを生かし、全国規模に拡大しました。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」創刊から現在に至るまで、全ての記事をアーカイブ収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を右の<記事検索>にキーワードを入れるだけで表示させて、必要な記事を読むことができます。今後とも、マンション管理組合さまのお悩みに寄り添い適切な情報をお届けしてまいります。

前理事会が決めた工事、借入金の署名は次期理事長!?

yomoyamahanashi 今年も、5、6月の総会シーズンがやってきます(マンションによって様々ですが)。
総会といえば、理事会のメンバーの入れ替りです。
そこで問題なのが「引継ぎ」。仕方なく理事長や理事に就いた人とっては、跡継ぎができ、お役御免となる待ちに待った日ですから、もう一目散に退散したい。ところが、管理会社にとって、こういう人は都合がいいんです。
「はっきりいって、引継ぎはあやふやなのが最高に楽ですね」というベテランフロントマンの証言もあります。「銀行印だけ次の理事長に渡して、あとは管理会社にお任せ!ってのが一番ですよ」。
本来ならば、月次報告書や理事会の議事録などを見ながら、今後の課題を引き継ぐのでしょうが、「ここは管理会社の対応が悪かった」「ここは業者に住民からクレームがついた」なんて、余計なことまで引継ぎされたくないのが管理会社の本音。
とはいえ、こんな事例もあります。
大規模修繕工事を行うため、住宅金融公庫(当時)に借り入れをすることになった。署名と代表者印は、次期理事長。
「絶対に嫌だ!!!」―理事長になってしまった結果、自分名義でマンションの借金をするなんて、そりゃ誰だって理事長なんてやりたくありません。金額だって個人のレベルじゃないんですから。
自分で決めたわけでもないのに、「決まっていることだから仕方ないでしょ」といわれても、納得できませんよね。「新年度の予算の組み立てを、前理事会がやること自体がおかしい」という主張です。
結局、公庫には前理事長の名義で申請して工事を行い、日常の組合運営は新理事会がやるという、2つの管理組合があるような形になってしまいました。

冒頭では管理会社の都合を書きましたが、管理組合のことを思っていうと、理事会はやはり、継続性という面で、2年任期で1年ごとに半数が交代するような形が望ましいのではないか…と思います。
キーワードは「継続性」です。
(大規模修繕工事新聞 第05号)


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