川沿い物件は強風に注意、打ち放しデザインにも配慮
『隅田川花火大会』の打ち上げ台となる浅草桜橋のすぐたもとに建つカーサ浅草桜橋は、隅田川からの風の流れを考慮して設計されたという。
近隣への日照・通風の障害をできるかぎり軽減し、配慮した建築計画によって、試行錯誤の末、2棟をV字型配置とすることで居住者の快適性と、近隣環境の保全を両立させた。
建物を14階と高層化することで建蔽率を52%におさえ、広々としたオープンスペースや豊富な植栽を確保している。
川沿いの建物の注意点は強風。仮設工事は慎重に行った。また足場は敷地奥側(隅田川側)から開始する必要があったため、足場の開始は隅田川の花火終了後とした。
設計・監理は新築時の設計事務所である茜設計に委託。建物はタイルと打ち放しを組み合わせた重厚なデザインが特徴であり、大規模修繕工事では外壁の打ち放しの質感維持が工事のひとつのポイントとなった。
打ち放し面の塗装はカラークリアー仕上げ。打ち放しは爆裂・ひび割れが目立ちやすく、特に気を使った。仕上げは現地で数種類の見本塗装を行って理事会との協議の結果決定した。
施工を請け負ったアイピー21の現場代理人は「東京・下町の現場ですので、特に居住者への作業員の挨拶は徹底させることに気を使いました。たとえお子様であっても作業員が挨拶することで、理事会では高い評価をいただきました」と話す。
工事終了後の竣工・引き渡しで、設計事務所、施工会社はともに管理組合から感謝状を授与された。
(大規模修繕工事新聞 第04号)