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File Data. 80 神奈川・相模原市/ディナ・スカーラ南橋本管理組合

69-05

コンサルは週2回工事監理を採用
着工時期も選択、1歩ずつ工事に向き合う

69-06 大規模修繕工事計画当初の修繕積立金額に対し、どのような工事費の節減ができるかを検討した。仮設現場事務所は集会所を使い、作業員詰所や倉庫も1階のフロアを使うなど共通仮設工事の費用を削ることができた。また足場仮設がなくても施工できる共用廊下の塩ビシートの張り替えを修繕項目から除外するなど、施工する場所、しない場所の大規模修繕工事の方針を決めて行った。
一方、バルコニー幅が2mと広いので塗装面積が多いこと、開放廊下に吹き抜けがあって足場仮設が割高になるなど、費用のかかる条件もあった。
工事前の管理組合対応としては、9期に大規模修繕工事委員会発足、10期コンサルタント会社決定、11期施工会社決定、12期着工と、足かけ4年かかった。
こうした経緯や計画・準備について、他の管理組合の参考のため、6月6日には地元のマンション管理組合ネットワーク(NPOかながわ県央ネット)の大規模修繕工事見学会に協力し、管理組合主体の工事実施をテーマに説明を行った。
大規模修繕工事で中心的役割を果たした管理組合役員の石﨑潤次さんは、「第6期で修繕費の値上げを再三説明し、実現したことで今回の工事ができた」という。
コンサルタント会社はインターネットで調べて5社を選定。見積もりやヒアリングなどで比較し、熱心に営業する会社ではなく、工事監理を最重点と考えて週2回行う建物保全センターを選んだ。石﨑さんは「見積もりでは高くても、週2回の終日工事監理は他になく、結果的に安くて、熱意があると感じた」と採用した理由を語る。
施工会社は業界紙に公募。書類選考で7社に絞り、見積もりとヒアリングで2社にしてカシワバラ・コーポレーションに決定した。
次に管理組合は3月着工、7月竣工を掲げる。秋は残暑、台風など生活の圧迫や工期の遅れが考えられるからだ。こうして焦らず、一歩ずつ工事へと向き合ったことも管理組合の特徴といえる。
とはいえ、現役時代は新築物件などの建設に携わった石崎さんはマンション改修業界に苦言を呈す。
「新築現場からみると居住者対応の工事は心得ているが、全体的にもっと要領よくできるのでないかと思う」
建設業界の大先輩からの目には「改善の余地アリ」と映るという。「改修業界全体で努力すれば、企業側はさらに収益を上げることができるし、管理組合側のコストダウンも可能性がある」と話す。今後の糧にしたい言葉である。
(大規模修繕工事新聞 第69号)

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