昨今の損害保険会社各社の頻繁な保険料改定に伴い、築年数の経過したマンション(築20年超)は特に大幅に保険料がアップしています。さらに今年10月1日、マンション総合保険を扱う大手3社が保険料をさらに引き上げる予定です。残り大手1社も来年4月1日に追随すると言われています。10月1日以降は保険料をこれまでの3倍、4倍…6倍超の契約を余儀なくされることになるのです。
〈表1〉は横浜市の築42年・40戸のマンションの事例。現契約は5年一括契約で保険料は約51万円(5年分)。これが10月1日以降、S社は約228万円、M社は約330万円、I社は約187万円。T社は来年4月以降の改定ですが、現時点でも約123.6万円となり、さらに4月以降は値上がりが必須です。
なぜ、近年保険料の値上がりが頻繁なのでしょうか。それは「保険料<保険金請求」という図式がマンションで続いてきたからだと、ある保険代理店は話しています。自動車保険と同じで、事故を起こしやすい年代からは保険料を高くとらなければ、マンションの保険商品が赤字になってしまうからというわけです。
とはいえ、保険料の節減は管理組合にとって大きな重要検討事項です。せっかく管理費の節約をしても、その分が保険料の支払いに回ってしまうことになるのです。
値上げ回避は、例えば9月30日までに現契約を解約して新たに値上げ前の保険料で5年一括の再契約をすることなど方法はあります。
また、〈表2〉はマンション総合保険料の設計内容を主契約保険料と賠償保険料に分けて契約した場合の例です。保険内容の内訳をみると賠償保険料が特別高いことがわかります。そこで、マンション総合保険の包括契約から外して、個別に契約すると、5年で約120万円安い保険料(10月1日以降で設定)が算出されることになりました。何もしないで継続契約するより、半分以下の保険料になる計算です。
マンションに詳しい保険代理店等に相談するなど、早めの対応をとる必要が出ています。
(取材協力:㈱グッド保険サービス・伊藤昌弘専務取締役)
(大規模修繕工事新聞 第69号)