政府の地震調査委員会が発表した2014年版「地震動予測地図」によると、首都圏での震度6以上の地震発生確率は前年比で格段に跳ね上がり、東京・新宿区46%(13年版26%)、さいたま市51%(同30%)、横浜市78%(同66%)という結果になりました。これは相模湾から房総沖にかけた相模トラフ沿いで発生する地震の発生確率などを盛り込んだためで、首都圏の地下にあるフィリピン海プレートの深さを従来よりも浅く設定されています。
このページでは、防災関連商品として、蓄光材料の避難誘導商品や階段昇降機、貯水槽の破損を防ぐ制振装置等を紹介します。
自治体によっては自主防災組織に対する防災資機材の購入費を助成する制度もあります。住まいの自治体に問い合わせるなど、助成制度を上手に使って地震対策を検討してください。
防災関連商品紹介
●蓄光材料の避難誘導商品
床材等を手がけるタキロンマテックス㈱(本社東京都港区・谷口充生社長・03-5781-8150)の蓄光材料を使った避難誘導商品「ルミセーフシリーズ」は、日中の太陽光や蛍光灯などに中に含まれる紫外線を吸収し、蓄え、夜間など暗いところで自己発光する蓄光材料を使用したもので、日没の12時間後も暗闇で視認できる高輝度(3mcd/㎡)を維持する。
素材が柔軟でサイズ調整も可能なため、R曲げ、直下曲げなどの施工が自由にでき、階段段鼻、手すり、コーナーなどにもスピード施工ができる。
※ 2015年6月、単価を改訂して値下げをしています。
●非常用階段避難車、階段昇降機、簡易救助リュック型
エレベーターが使えない非常時に、上層階の要援護者や負傷者を階段で避難させる階段避難車。折りたたみ式で一人の操作者で150kgの人まで運べる。1台17万~ 20万円。
担架に関しては、マンションでは階段で下りることが前提となるので、踊り場などスペースの問題があり棒付きの担架は使用できないことが多い。このため非常用階段避難車の他には布製担架が必要となるケースもある(約3万円)。
●簡易トイレ
竹内化成㈱(本社横浜市中区・竹内一夫社長・045-232-5151)が販売するのは、ワンタッチで組み立てられる簡易な携帯テント・トイレ。テントとイスの組み立ては
約1分で完了する。費用はテント(9,000円)、トイレ(3万円)、使い捨てパック10枚セット(2,800円)をつけて、合計4万円ほど(すべて税抜き価格)。
●貯水槽の破損を防ぐ制振装置
タンクセイバー「波平さん」導入
座間市の東建座間ハイツ3号棟管理組合(1977年竣工・153戸)は4月、貯水槽の破損を防ぐ制振装置であるタンクセイバー「波平さん」を導入した。
タンク内の水に浮かせるだけで、地震で発生する液面揺動による波高を大きく減衰(1/3以下)し、タンクの損壊を防ぐ。
施工は横須賀管工事協同組合(本部横須賀市・ 046-825-2345)で、東建座間ハイツ3号棟での施工費は1基約50万円。
昨年8月の横須賀市民病院のケースでは約35万円(材料・工事含む・税別)だった。※施工費は貯水槽の面積や水深によって異なる。
(大規模修繕工事新聞 第69号)