大規模修繕工事の業者選定をする際、見積もり合わせの内容に「大規模修繕保険の加入」を明記する管理組合が増えてきています。
「大規模修繕保険」の特長の一つが保険法人による第三者の目から見た現場検査の実施です。
工事着手前に保険法人の検査員が現場検査を実施します。内容は工事仕様書に基づく、工事範囲や工事行程の確認です。その後は工事の進ちょく状況に合わせ、順次現場検査を実施していきます。
施工事業者の自主検査や設計事務所等の検査に加え、保険法人による現場検査の実施は、管理組合にとって「安心」が一つ加わったということといえるのではないでしょうか。
1. 保険名称
・たてもの保険NAIS-Ⅳ 大規模修繕保険
2. 保険契約者・被保険者
・大規模修繕工事を行う請負事業者
3. 保険加入ができる場合
○住宅:共同住宅: 新耐震基準に適合した共同住宅又は保険対象工事により耐震改修を実施した共同住宅に限る)
○大規模修繕工事: 共同住宅の一部または共同住宅と一体となった設備に係る建設または改修等の工事
○保険対象部分: 被保険者が請負契約を締結した以下の部分及び設備の改修工事の部分
( ⅰ)構造耐力上主要な部分(耐震改修工事など)(ⅱ)雨水の侵入を防止する部分(外壁、防水、シーリング工事など)(ⅲ)給排水管路(ⅳ)給排水設備(ⅴ)電気設備(ⅵ)ガス設備(ⅶ)防錆工事を行った手すり等の鉄部(但し(ⅰ)(ⅱ)のいずれかと同時に行った場合に限る)
4. 保険期間
(ⅰ) 保険対象工事を含む工事請負契約で約定したすべての工事完了から5年間
(ⅱ) 保険対工事実施部分に手すり等の鉄部がある場合、手すり等の鉄部は2年間
5. 支払保険金
○支払限度額:1,000万円から最大4億円まで
○免責金額:10万円
○縮小てん補率:80%
※ 被保険者の倒産等により、工事発注者(消費者)からたてもの株式会社に直接請求を行う場合には、縮小てん補率は100%となります
6. 現場検査
①工事の着手前の時期
② 構造耐力上主要な部分に係る改修工事の最下階の工事完了の時期
③ 構造耐力上主要な部分に係る改修工事の最上階の工事完了の時期又は雨水の侵入を防止する部位に係る改修工事にあっては足場撤去
④ 給排水管路工事、給排水設備工事、電気設備工事、ガス設備工事、又は手すり等の防錆工事は、いずれかの工事完了の時期
※ 平成22年4月1日から平成23年3月31日までの申し込みに対し、保険金額1,000万円につき保険料4,000円の補助があります
管理組合の資料請求先
一般社団法人全国建物調査診断センター
○大規模修繕保険「瑕疵保証センター」
〒231−0033 横浜市長者町5−56−2
☎045−250−6185 FAX 045−261−6033
※管理組合からの資料請求について
資料請求をする場合は①大規模修繕工事時期はいつか
②施工業者は決まっているか、をご確認の上ご連絡ください。資料の内容が異なります。
保険契約者は大規模修繕工事を請け負った工事会社となります。管理組合は工事業者に保険加入をご希望して下さい(任意)。工事業者は事前に事業者登録が必要になります。
(大規模修繕工事新聞 第10号)