月刊「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。コロナ過を契機に発行形態を紙媒体から全面的に電子版に移行いたしました。それにともない、これまで首都圏、関西圏のみの発行でしたが、ネット配信の強みを生かし、全国規模に拡大しました。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」創刊から現在に至るまで、全ての記事をアーカイブ収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を右の<記事検索>にキーワードを入れるだけで表示させて、必要な記事を読むことができます。今後とも、マンション管理組合さまのお悩みに寄り添い適切な情報をお届けしてまいります。

考 察 マンションのエレベーター その②

15-10-70-36◆メンテナンス契約の種類 (1)フルメンテナンス(FM)契約

メーカー系メンテナンス会社では、契約書の表紙に「三菱メンテンス契約」「日立メンテナス契約」などと記載されているのが一般的です。このような契約は、「通常使用において通常発生すると予測される修理及び部品取り替えを含む」という内容で、価格が適正であれば管理組合にとっても手間のかからない契約方法です。
ただし、価格は割高です。問題点は次の通りです。
①部品の取替周期が管理組合として把握できない
② 契約書には管理組合の判断ではなく、業者の判断で取り替えを実施すると記載されている
③ 部品の価格が明記されていないので、契約内で実施されても他契約との比較ができない
(2)POG契約
(Parts=パーツ)(Oil=オイル)(Grease=グリス)の略です。
契約書には「三菱点検契約」「日立点検契約」などと記載されているのが一般的です。同契約は、取替周期が短い上に消耗部品を含む契約です。
例としてカゴ内照明(蛍光灯)・乗り場表示ランプ・点検用油脂類・取替頻度の高い接点等(おおむね3カ月~6カ月で取り替えが必要な部品)です。同契約も専門用語が多く、管理組合として内容を把握するのは困難です。
ただし、フルメンテナンス契約とは異なり、点検費用と修理(部品取替)費用が明確になり、情報開示はされていますが、修理の必要性を管理組合が判断する必要があります。
以上の2種類がエレベーターのメンテナンス契約の例です。

15-10-70-37◆エレベーターメンテナンス会社の選択基準

①メンテナンスを下請けに丸投げにしている業者は避ける
契約台数と社員数のバランスで、だいたい推測がつくものです。通常1人の技術者が担当できるエレベーターの台数は最大でも70台程度です。したがって、社員数と自称契約台数が比例していない場合は、メンテナンスを下請けに行わせている可能性が高いのです。
ただ、メンテナンスを下請けに出すこと自体が問題なのではありません。しかし、メーカー系メンテナンス会社でも完全には下請けに出していないという実績からすれば、独立系のメンテナンス会社を選択する場合、下請けに丸投げしている会社かどうかを見極める必要があります。
②緊急時にどこから救助に駆けつけるか
エレベーターの閉じ込め事故はないに越したことはありませんが、安全装置の考え方は、利用者の安全を守るために「停止させる」というものです。
そこで、地震や停電などで万一エレベーターが停止して閉じ込められたときには、どこから救助に駆けつけてくれるのか―技術者が常駐するサービス拠点がどこにあるかは、大切なチェックポイントです。マンションの場所とサービス拠点の位置関係を確認してみるとよいでしょう。
③緊急用部品をどの程度ストックしているか
現在、エレベーターメーカーは、補修用部品の販売を行うようになりましたが、土日祭日まで販売しません。
そのために、メンテナンス会社として緊急用の部品をきちんと在庫している会社を選択する必要があります。
④ メンテナンス料金が極端に安くないか
基本的に人件費は会社の大小に関わらず、資格を持った技術者がメンテナンスを行うためには最低限のコストがかかります。したがって、メンテナンス料金が極端に安い場合にはメンテナンスの中身に疑問があるのです。

一般社団法人マンション管理組合支援センター
連絡先
〒101−0031 東京都千代田区東神田2−8−7 共信ビル
TEL・FAX / 03−5820−2152 平日10:00 〜 17:00
kanri-kumiai.jp

(大規模修繕工事新聞 第70号)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA