築30年以上のマンションが100万戸を超え、旧耐震基準・高経年マンションでは建替えの検討を行うケースが増えてきている。ところが、建替え費用や仮住戸の資金問題、既存不適格建築物による法規的な問題、さらには管理組合内の合意形成、専門家の不在等、建替えに関する基本的な知識や方法論が周知されている状況ではないのは確かだ。
国としても巨大地震の発生に備える状況から、耐震不足のマンションの耐震化の促進を掲げてマンション円滑化法の一部改正を行うなど、建替えの普及を手探りしている。
本書では「マンション建替えの壁」突破のポイントをはじめ、建替え事業の進め方を解説。さらには大阪・吹田市の「アトラス千里山星ヶ丘」、東京・新宿区の「シンテンビル左門町ハイツ」、東京・大田区の「オーベル
グランディオ萩中」等、建替え経験者のインタビューも掲載している。
建替え検討時の初歩的なバイブルとして活用できる1冊といえよう。
(大規模修繕工事新聞 第71号)