大震災を教訓に平時からの備えを
このたびの東日本大震災で被災された方々に対し、お見舞いとお悔やみを申しあげます。
私たちのマンション管理組合では、今回の地震の被害の大きさと恐怖から教訓を得て早速話し合いの場を持ち、災害に備えてマンション居住者の心構え、準備しておくこと、管理組合で備えておくことなどをまとめました。ここでは管理組合としてできることを中心に紹介いたします。
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大きな災害が訪れた時には、マンション居住者は運命共同体です。安否確認や人命救助は居住者同士で支え合って行っていく必要があると思われます。その備えとして最も重要なのは管理組合が居住者名簿、緊急連絡先名簿の整備しておくことです。
しかし、今回の大震災では大津波の影響が大きく、行方不明者の数が未だに1万人を超え、家族や友人等の「安否確認」ができずに苦しみました。
わかったことは、停電すれば固定電話が使用できなくなり、携帯電話も混線しつながらなくなるということです。
そこで、各携帯会社の災害用伝言板サービス(表参照)が活用できることがわかりました。こうした伝言板サービスを平時から居住者に周知しておくことも管理組合の役目といえるかもしれません。
管理組合では居住者名簿の作成によって災害弱者の存在がわかり、伝言板サービスの周知によって確認の幅が広がるといえることになります。
マンション生活にためにも
名簿の整備と重要性の理解を
阪神・淡路大震災の場合はマンション自体に被害が大きく、どう復旧していくのか話し合い決議しなければなりませんでした。この時に連絡先が分からなければ、復旧計画に対する合意が得られず、壊れた部分を直すことができないという事態につながります。
建物の復旧はマンション生活の復興の第一歩です。そのためには連絡先の確保として、居住者名簿、緊急連絡先名簿の整備と、その重要性の意味を理解してもらうことが必要なのです。
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次の大災害がどのような形で現れるかわかりませんし、私たちのマンション生活を直撃するかもしれません。
そのときになってパニックにならぬよう、過去の大震災の教
訓を生かすことが最も大切なことではないでしょうか。
■管理組合で備えておくこと
①救助用具・避難用具の準備をする
②防災計画を立て、居住者に周知する
③連絡、避難誘導の体制を整えておく
④ 居住者名簿、緊急連絡先名簿の整備し、安否確認が取れるようにする
⑤ エレベーター内に簡易トイレ、水等を準備しておく(閉じ込めがあった場合の対処として)
⑥けが人が出た場合、火災発生時の119番通報
⑦ エレベーター内に人が閉じ込められた場合のエレベーター会社への連絡
⑧建物外に防災倉庫を設置し、防災用品・救助用具を準備する
⑨災害時に防災倉庫のカギを開けておく
⑩年に1回は避難訓練を実施する
■災害発生時の連絡方法
災害発生時には、停電すれば、固定電話が使用できなくなる上、携帯電話でも混線し、繋がり難くなる。このような家族や友人と連絡が取れない場合は、下記の災害用伝言板を活用する。
■各携帯会社の災害用伝言板サービス
①AU災害伝言板 URL ⇒ //dengon.ezweb.ne.jp/
②iモード災害用伝言板サービス(パソコン用)⇒
dengon.docomo.ne.jp/top.cgi
③ソフトバンク災害伝言板 URL ⇒
dengon.softbank.ne.jp/J
④NTT伝言ダイヤル:171
⑤Web回線は地震の際でも、繋がりやすい
⑴各種掲示板 ⑵mixi
⑶ツイッター ⑷スカイプ
※これらを活用すれば、連絡が取れる可能性があがる。
⑸アイフォン⇒ ドメイン:@i.softbank.jpなどの形式で送れば、通常の、携帯ソフトバンクと違い到達する可能性は高いと思われる。
■筆者
杉本久美子(すぎもと・くみこ)
マンション管理士、NPO湘南マンション管理組合ネットワーク副会長、横浜市マンションアドバイザー。現在自宅マンション管理組合の理事長(3期目)。
(大規模修繕工事新聞 第16号)