日頃からマンション問題に取り組む弁護士やマンション管理士、建築士、設備関係技術者等で構成するマンション維持管理支援・専門家ネットワークのメンバーが編著者として上梓した1冊。
リフォームとは各戸内の改修工事のこと。とはいえマンションは区分所有法の中で専有部分が規定されているため、法律や管理規約等を確認して、それに則った工事を行わなければならない。
こうしたマンションリフォームの基礎知識から、失敗しないリフォームのためのチェックポイント、管理組合の留意点、トラブルの対処法等を、Q&A形式で解説。巻末には参考資料として、同ネットワークが作成した「専有部分のリフォーム工事に関する細則」モデルを掲載した。
本書の中から一部を抜粋して紹介する。
第3章Q7:内部の壁を剥がしたところ、コンクリートに穴が空いていることがわかった。このままでよいのだろうか。
回答では、まずは管理組合に報告することを説明。構造上問題があるかもしれないので、リフォーム業者が工事の進行にあわせてその都度、写真を撮って記録し、問題があればすぐに報告するよう勧めている。
第5章Q13:リフォーム業者がエレベーターを傷つけ、管理組合から修理費用を請求された。払うべきなのだろうか。
これに対して、施主は原則的に、リフォーム業者がその仕事について第三者に加えた損害について賠償する責任は負わない。なので、管理組合はリフォーム業者に対して損害賠償を請求すると答えている。
本書はその他47のQ&Aとリフォーム細則モデルで構成されている。
(大規模修繕工事新聞 第75号)2016-03