『マンション大規模修繕工事完成保証制度』とは、工事会社の倒産等による工事中断など、万が一の際に管理組合が受ける被害に対して、工事が完成するまで保証(履行保証)する制度。工事会社の倒産した場合、すぐに工事現場や工事会社の状況を確認し、引き継ぎする工事会社のあっせん、前払いなど金銭被害があっても大手損害保険会社の保証を得ているため、確実に、スムーズに工事の継続を約束します。
支払い済みの前払金は第三者期間が調査。工事の進捗と支払い済みの金額とに差が生じた場合の損害を保証します。
引き継ぎ業者への支払いが当初の契約金額を超える場合にも保証されるので、工事完成までの追加費用も不要です。
全建センターの『マンション大規模修繕工事完成保証制度』に加入できるのは、事前に登録をした工事会社のみ。管理組合が大規模修繕工事の業者選定をする際には、全建センターに登録しており、全建センターの保証制度に対応可能かどうかを確認してください。
●事例紹介:同業他社の完成保証人は頼みづらい
全建センターの『マンション大規模修繕工事完成保証制度』を利用する管理組合(18棟・945戸)では、工期が1年2カ月に及び、工事金額も17億円以上になることから、制度の活用を選択しました。
工事契約における支払い条件は着工金が工事費総額の10%、中間金として工事出来高45%時に30%、工事出来高78%時に30%、竣工引き渡し後1カ月以内に残り30%です。
施工を担当した会社の営業マンは「見積もり参加要項に同等以上の同業他社の完成保証人を立てることとありました。しかし金額が17億円超にもなることから、信頼関係のある会社じゃないと保証人を頼みづらい。そこで管理組合に完成保証制度をお勧めしました」と話しています。
他の業界関係者からも「同業他社の完成保証人を立てること自体、談合の温床になる」と指摘する声があがっています。
●問い合わせ
窓口・登録機関
一般社団法人 全国建物調査診断センター
☎03-6304-0278 //zenken-center.com
(大規模修繕工事新聞 第77号)